NFL - スーパーボウル プレビュー

 5ヶ月余りに渡って繰り広げられたNFL2004シーズンも、いよいよ今季王者を決定する時を迎えた。サンディエゴにて今月6日18時半(日本時間7日早朝8時半)にサンディエゴにて、第39回スーパーボウルが開催される。



 注目の対戦カードは−。

 AFC代表は、この4回のスーパーボウル中3回目の出場を果たした、昨季の王者たるN.E.Patriots。組織としての完成度の高さ、緻密な戦術、試合の流れを引き寄せる巧緻さ、重要なポイントで決してミスを犯さない安定感、派手さは無いが王者としての風格溢れるチームである。

 一方のNFC代表は、3年連続でカンファレンス・チャンピオンシップに進出しながら3年連続で敗れ、スーパーボウルにあと一歩のところで苦汁を嘗め続けて来たPhi.Eagles。攻守ともに実力はカンファレンスで群を抜き、今季もリーグ最速でプレイオフ進出権を獲得した。





 各界の評価は、全般的にPatriots優勢の声が有力である。米ブックメーカーは、「7点差でPatriots」との予想を立てている。



 その理由の1つとして挙げられるのは、Eaglesの攻撃における最大の武器であるWRテレル・オーウェンズが負傷でシーズン終盤から欠場していることである。WRフレディ・ミッチェルやWRトッド・ピンクストンらの代役では、Patriotsのテクニカルな守備陣から大量得点を奪うのは不可能である、と目されている。事実、Atl.Falconsとのカンファレンス・チャンピオンシップでは、パス攻撃に弱い相手だったにも関わらず、パス獲得距離は170ydsにとどまった。

 必然的にランの比率を高める事になるのだが、Patriotsはリーグ2位の破壊力を誇ったPit.Steelersとのカンファレンス・チャンピオンシップにおける対戦で、Steelersが繰り出すラン攻撃を126ydsに抑え込み、チームは完勝した。Steelersより力の劣るEaglesのラン攻撃では、太刀打ち出来ない公算が高い。



 一方のPatritosの攻撃は、QBトム・ブレイディからのショートパスを多用した攻撃に加え、RBコーリー・ディロンの力強いラン攻撃も効果的に働き、毎試合確実に20点以上獲得出来るだけの安定感がある。ミスが少なくインターセプトファンブルと言ったターンオーバーを許さない。時間の使い方も上手いため、相手の攻撃時間を少なくして、守備の負担も軽減している。理想的と言っても良い巧みなボールコントロールオフェンスである。

 対抗するEagles守備は、ラン守備には強いがパス守備に難がある。3年目のCBコンビ、シェルドン・ブラウンとリト・シェパードに加え、SSマイケル・ルイスなど若手が多いセカンダリー陣に不安が残る。ベテランFSブライアン・ドーキンスがサポートしているが、カバーし切れてはいない。Patriotsが多数のレシーヴァーを配置しフィールドに散らせると、対応出来ない危険がある。

 Patriotsのレシーヴァー陣は、比較的小粒なのだが層が厚く、それだけにターゲットを絞り難い。ダブルTE体型も多用して来ると見られ、そうなるとショートパスで次々に1stDOWNを更新され続ける惧れもある。



 スペシャルチームも、Patritosが若干だが勝る。PatritosのKアダム・ヴィナティエリは、今季FG成功率が94%と高く、ロングキックでも確実に決める能力がある。EaglesのKディヴィット・エイカーズもリーグを代表する名キッカーだが、FG成功率は84%で一歩ヴィナティエリを下回る。





 こうなると、Patriotsの連覇はほぼ間違い無い、そうとも思える。だが、戦前の評価など全く当てにならないのが、スーパーボウルと云う大舞台である。

 よってシメジ予想も、データや種々の条件を完全無視し、感情と閃きで展開する。まぁ感情と言っても、御贔屓の2チームがいずれも前試合で敗れてしまったので、どっちが勝っても正直どうでも良いのだが。



 まず、Eagles勝利、チーム初のスーパーボウル制覇、これを前提に考えてみる。何故ならば、Patriotsの勝利は即ち、Patriotsの黄金時代が到来した事を意味する。21世紀になってからの4度のスーパーボウルに3度出場し3度優勝、これを黄金時代と言わずして何と呼べば良いのか。そんな単一のチームが余りにも強過ぎるのは、面白くない。そう、Patriotsへの嫌がらせめいた、Eagles勝利予想である。

 Eaglesが勝つとして、その条件とは。

  д QBドノヴァン・マクナブが、パスとラン合計で300yds以上獲得する。

  д WRテレル・オーウェンズが奇跡の復活を果たし出場し、しかも100yds以上レシーブしタッチダウンを挙げる。

  д LEジェヴォン・カースを筆頭としたEagles守備ラインが、PatriotsのQBブレイディにサックを浴びせまくる。

  д EaglesのLB陣がPatriotsのRBディロンのランを封じ込む。

  д Eaglesセカンダリー陣がPatriotsのWR陣に仕事をさせない。

 ううむ、考えれば考えるほど、Eaglesの守備がどれだけ頑張れるかが肝心に思えて来た。



 兎も角、上の条件を全てクリア出来るとして、21-17でEagles勝利。





 さてさて、いよいよスーパーボウルと言う事で、幾つかNFL関連の記事を紹介。



スーパーボウルとは

 まぁ、基本中の基本だね。



アメリカンメディアの戦力分析と予想

 参考程度に。



スーパーボウルで現役復帰する35歳の建設会社社員

 出場機会の有無は兎も角、こんな事も有るのがスーパーボウル



ハーフタイム、今年はマッカートニー

 元ビートルズのポールをして「スーパーボウル以上に大きいステージはない」と言わしめるのがスーパーボウル



30秒CM、過去最高の2億5000万円

 1秒当たり約8,000万円。それでも元が取れるのがスーパーボウル





 さてさて、明日は早起きして、珈琲とおやつを準備して、毛布にくるまってスーパーボウル観戦だ。有給休暇も取れたし、存分にNFLを楽しむとしよう。