止まるなら止まるでちゃんと完全停止してくれないと。お前は承太郎か。

 いつも通りに目覚まし時計が鳴る前に起き出し、いつも通りに珈琲タイムを楽しみ、まったりとした時間を楽しんでいた朝。テーブルに置いている時計が7時40分を示したので、そろそろ出勤の準備をせねばと、歯を磨きシャワーを浴びていた。その、浴室での事。
 シメジ宅の近所には小学校があり、毎朝7時と8時、それに夜の20時にはチャイムが鳴る(本当は正午辺りにも鳴っているのかも知れない)。平日休日問わず鳴り響くので、日曜の朝などは近所迷惑なんだろうが、休日でも6時前には起き出しているシメジにとっては余り関係無い。
 さて、浴室の場面。時計は7時50分辺りを指し示している筈なのだが、突然このチャイムの音が轟き渡った。エッ( ̄△ ̄;)?
 まだ8時にはなっていない筈だ。おかしい。慌てて時計を見ると、やはり50分。携帯電話を見ると、……アレ?8時過ぎてる。
 どうも、時計が寝てる間に10分余り止まり、その分だけ遅れてしまっていたようだ。家に時計が1つしか無く、朝からTVを観たりもしないシメジは、それに気付かなかった訳だ。

 遅刻するような遅れようでは無かったが、いつもの出勤よりは大分遅れてしまった。慌てて身支度を済ませ、急いで出勤。いつもはシメジが早く着いている筈なのに、上官達に先を越されてしまった。郵便物を取りに行ったり机を拭いたり、上官にやらせてしまった。

 ……この時計、最近しょっちゅう止まるんだよなぁ。