「人生は思い通りにはならない」どころか予想した最悪の展開になる事も往々にしてあるのが我が人生。


 一昨日の雑記で、『自宅待機にならないかなぁ』とか思ってた台風14号。まぁ、そのまま出勤した訳だが。


 刻々と目前に広がる海は姿を変え、荒波が押し寄せて来るようになる。風雨も強まり、外出するのも危険な状態へ。
 港湾労働者である我々、船も避難してる状況で仕事がある訳では無い。取引先も続々と退社しており、まぁぶっちゃけヒマ。だったらさっさと帰ろう、と思っていたら。
 「なぁ、今晩、『泊まり』大丈夫か?」
 ( ̄△ ̄;)エッ・・?


 確かに、海岸からほんの30m程度しか離れていない場所に我が社屋は建っており、誰かが風雨対策せねばならない。それに、最も台風が接近し暴風雨が酷くなるのが翌日の朝であるから、多くの者が出勤出来ない事態も容易に予想され、翌日の仕事を処理する為に泊まりで待機する者が必要だ。
 だけど、だからと言ってオレじゃ無くても。
 まぁ、そうは言っても仕方無い。うちの部門は5人だが、3人は家族持ちで、しかもうち2人は幼子を抱えているので家の管理の方が大変だ。残る1人は自宅が車で1時間も掛かる場所なので早々に退社(遠いからこそこの人が泊まるという選択肢もあったハズだが、もう台風も過ぎた今頃思い付いたし、それに誰よりも早く帰ってしまったので言うだけ無駄)。残る1人は今年入社したばかりで右も左も判らないので、翌日1人で留守番してても戦力にならない。そうなると必然的に、オレに廻って来る。……勘弁してよー。


 その日は、強まる暴風雨を眺めつつ海猿と麦酒呑んだりしつつ呑気に過ごしたが、翌朝からが酷かった。
 社屋のあちこちから大量に水が吹き込み、それを喰い止めるのに必死。停電でパソコンが一切使えなくなったので、全ての仕事はマニュアルで処理せねばならない。外出するなど無謀の極みであるから食事にも困り、買い置きしてあったカップ麺3食連続。しまいには、避難を怠ったバージ(艀(はしけ)、平底の荷船)が波に煽られて岸壁から何やらブチ壊しつつ社屋を目前としたところに打ち上げられる。あと少し波が高かったら社屋に突っ込んでた(((((((( ;゜Д゜)))))))ガクガクブルブル。


 もう、次の台風が来ても、絶対泊まりなんかやらない。やりたくない。


 ……けど、どうせまたオレに振って来るんだろうなぁ。