男装の野球少女の漫画を読んだ事がある気がするが、やっぱ現実に居るとそっちのが魅力的だなぁ、の巻。

 スポーツ観戦好きなので、TVをとんと観なくなった今でも、「ジャンクSPORTS」は結構観ている。今週は「秋のなでしこ特大SP」と銘打って、今を煌く多数の女性アスリートが出演していた。


 その中に、ちょっと目を引き付けられる人物が居た。
 周囲がバッチリ化粧し艶やかな衣裳に身を包む中(重量級の柔道選手も)、一人、真っ黒に日に焼けた顔とジーンズ姿。他の出演者の話をロクに聴いていない者が居る中(誰とは言わないが)、どんな話でも、カメラが追っている訳でも無いのに大きなリアクション。自分がトークする番になると、純粋で素朴でをあどけない話で、百戦錬磨の浜田雅功をも笑わせる。ショートカットに真っ黒な顔、クルクルとよく変わる表情、綻んだ笑顔には真っ白な歯。あだち充の描く漫画に登場するキャラクターにも、こんな絵に描いたようなスポーツ少女は居ない。
 名札には、こう書いてあった。「片岡安祐美」。


 「はてな」の中に、簡単なプロフィールがあった。
 女子野球選手。
 1986年11月14日生まれ。熊本県出身。右投右打の内野手
 熊本市立出水南中学→熊本県立熊本商業高校→流通経済大学経済学部。
 小学校3年より野球を始める。出水南中学校3年生の時に日本女子野球協会の試験を受け、合格。第3回世界女子野球世界大会にレギュラーで出場し、優勝。熊本商業高校野球部では男子と同じメニューでの練習に励み、2番セカンドのレギュラーを掴む。しかし、高野連の規定により、公式戦には出場できなかった。女子硬式野球日本代表に3期連続で選出される。
 2005年、茨城ゴールデンゴールズ欽ちゃん球団)へ入団。背番号1。控えながら存在感を見せる。2005年6月5日現在、8試合出場、12打数0安打0打点、1出塁。初安打が期待される。
 ……って、「イズナン」から「クマショー」やん!同郷やん!チミの先輩を何人も知ってるよ!……コホン。


 ふーん、前にもこの番組で観たことあったけど、やっぱ可愛いなぁ。元々の顔の造りがどうとか言うより、生き生きとした生命感が素晴らしい、何かに打ち込んでいるひたむきさがカッコ良い。
 大体、スポーツ選手でありながら、実力も無いのにチャラチャラと色目ばかり使ってる連中(男性・女性を問わず)には、ほとほとウンザリしている。プロスポーツは人に観て貰う部分も大きいから多少は身嗜みにも気を遣って当然だし、年頃ならお洒落してみたいのも解らないではないが、「お前の本分は何だ」と言いたい連中が多い。屋外スポーツ選手であるサッカー選手が矢鱈と色白だったり、奇天烈なリボンとか刺青とかしてたり、何処の馬の骨とも判らない奴と色恋沙汰でトラブル起こしたり、最近では、期待されてた若手女子プロゴルファーが自身のサイトで性遍歴やら無免許運転やらを暴露して大問題になっている例もあるとか。警察官が痴漢するのと、ある部分では似たようなもんだろ。
 そんな中、彼女は素晴らしい。
 高校野球ってのは、それはそれは厳しい練習で連日苦しめられ、中学校で野球をやってて田舎の大将だった人間にとっても試合出場は至難なもんだ。それが、男子と同じ練習を積み、しかもレギュラーの座を手にしている。
 規約で公式戦に出場出来ないのは、お偉方の脳細胞が無承認医薬に侵されてるので仕方無いにしても、女性の身でこれだけ常識の壁にぶつかって行った事実だけでも、野茂やイチローといったフロンティア開拓者と同格に扱って然るべき足跡を遺していると言えよう。


 うーん、頑張れよー。応援してるぞー。