プレイオフ進出決定記念の今季Steelers寸評、およびWRランドルエルの快挙予想、の巻。

esperanca2006-01-03

 いざ、プレイオフ


 NFL2005-2006シーズンはレギュラーシーズン全17週を終え、プレイオフ進出チームが確定。我が御贔屓チームは、NFCのAtl.Falconsは先週の時点でプレイオフ進出の可能性が消滅していたが、AFCPit.SteelersはDet.Lionsを破り見事に自力でプレイオフ進出を決めた。
 やった、やったよーヽ(゜▽゜*)乂(*゜▽゜)ノ バンザーイ♪


 それにしても、先日書いた3つあったプレイオフ進出の条件(Steelersが対Lions戦に勝利か引き分け、ChiefsがBengals戦で負けか引き分け、ChargersがBroncosに勝利)のうち、後ろ2つは見事に打ち砕かれていたから、危なかったと言えばその通りだ。流石はRBベティス様!


 今季のSteelersを振り返ってみると。


<オフェンス>
 QBベン・ロスリスバーガー 12試合(先発12試合)、168/268回(62.7%)、2,385yds(平均8.90yds)、17TD/9INT、Rate98.6
 RBウィリー・パーカー 15試合(先発15試合)、255回1,202yds(平均4.7yds)4TD
 RBジェローム・ベティス 12試合(先発無し)、110回368yds(平均3.3yds)、9TD
 WRハインズ・ウォード 15試合(先発15試合)、69回975yds(平均14.1yds)、11TD
 WRアントワン・ランドルエル 16試合(先発15試合)、35回558yds(平均15.9yds)、1TD
 WRセドリック・ウィルソン 16試合(先発1試合)、26回451yds(平均17.3yds)、0TD
 TEヒース・ミラー 16試合(先発14試合)、39回459yds(平均11.8yds)、6TD


 やはりここで際立つのは、TEジェラミー・トゥーマンからポジションを奪ったドラフト1巡ルーキーTEミラー。大学界随一と評されたパスレシーヴ力は期待通りに発揮され、今やレッドゾーンでの強力な武器に成りおおせた。
 昨季の新人王QBロスリスバーガーは、今やチームの顔。今季もQBレイティングではリーグ3位と高い水準をキープした。前年より成績はあまり伸びていないが(寧ろ下がったものも多いが)、「チームを勝利に導く」という点ではPatriotsのQBブレイディに次ぐ能力を持っているように思う。QBには、それが一番大事だわな。
 RBベティスWRウォードは、個人成績は低下したものの、得点機での圧倒的な強さはベテラン健在を強烈に印象付けてくれた(RBベティスの9TDランはリーグ10位、WRウォードの11TDレシーヴは4位)。WRランドルエルWRウィルソンは、「一発屋」の怖さを見せ付けることで、本来は地味なSteelersオフェンスの幅を広げてくれたように思う。
 RTマックス・スタークスRGケンドール・シモンズCジェフ・ハーティングズLGアラン・ファニーカLTマーヴェル・スミスLTトレイ・エセックス)のライン陣も、強力なブロックで攻撃の屋台骨を支えた。OLのユニットとしての強さから言えば、Seahawks等と共にNFLトップクラスだと信じる。
 そして、RBパーカー。当初のエースRBデュース・ステイリーを負傷で欠き、RBベティスの年齢的な衰えもあり、「Steelersのラン攻撃はどうなってしまうのか?」と思ったシーズン序盤。だが、この超新星ランナーはTitans戦での161ydsを皮切りに快走を続け、遂には1,000ydsラッシャーの座まで手に入れた。彼が居なければ、Steelersのプレイオフは早々に露と消えていただろう。リーグ12位の走りに“天晴れ!”。
 オフェンス全体では、平均321.8ydsはリーグ16位。
 パスの24位ってのはいかにも低調だが、パスでの21TDはリーグ12位で、ゴール前ではそれなりに効率良く決めている。
 ランの方はリーグ5位と相変わらずの強さ。ラン回数549回はリーグトップで、地道な地上戦を粘り強く展開するチーム色が如実に顕れている。RBベティスのお陰でランTD回数もリーグ5位の21回。伝統は今に息衝いている。


<ディフェンス>
 REキーモ・ヴォンオールホッフェン 16試合、35Tckl(ソロ22、アシスト13)、3.5QBサック、1FumF
 ROLBジョーイ・ポーター 16試合、56Tckl(ソロ39、アシスト17)、10.5QBサック、2INT、4FumF、1FumR
 LOLBクラーク・ハガンズ 13試合、59Tckl(ソロ40、アシスト19)、9QBサック、4FumF
 RILBラリー・フーツ 16試合、102Tckl(ソロ76、アシスト26)、3QBサック、1FumR
 LILBジェイムズ・ファリアー 16試合、119Tckl(ソロ74、アシスト45)、2QBサック、2FumF、1FumR
 SSトロイ・ポラマル 16試合、91Tckl(ソロ73、アシスト18)、3QBサック、2INT、1FumF、2FumR
 FSクリス・ホウプ 16試合、96Tckl(ソロ69、アシスト27)、3INT、1FumF、1FumR
 CBアイク・テイラー 16試合、91Tckl(ソロ75、アシスト16)、1INT、2FumR


 やはり、自慢のLB陣の成績は上々。特にLBポーターブリッツは相手QBにとって脅威で、QBサック数は自己記録に並んだ。ミドルのLBファリアーLBフーツのコンビも強烈なタックルを連発し、相手のラン攻撃を堅実にストップしてくれた。
 DB陣では、SSポラマルの成績が際立つ。自慢のスピードとタックル力を活かしてビッグプレイを連発、今やSteelersの守備の柱とも呼べる存在に。
 守備トータルでは平均喪失距離284.0ydsでリーグ4位。平均16.1失点は3位。ラン攻撃で時間を消費するチームスタイルも影響しているのだろうが、立派な成績だ。
 パス守備はリーグ16位とやや不振。インターセプトが15個で20位と、同地区のライバルBengalsの31個の半分に過ぎない。この辺が勝ち星の差に直結したような気もする。47QBサックはリーグ3位タイ、“スティールカーテン”健在をアピールした。
 ラン守備はリーグ3位。昨季のリーグ1位の座は譲ってしまったが、1回平均3.4ydsに抑えているのは圧巻だ。


スペシャルチーム
 Kジェフ・リード 16試合、FG24/29(82.8%)、2FGブロック、XP45/45(100%)、117得点
 Pクリス・ガードッキ 16試合、67回(20yds内22回、TB7回)、2,803yds(平均41.8yds、Net34.7yds)、
 KRクインシー・モーガン 16試合、23回、583yds(平均25.3yds)、0TD
 KRリカード・コークリー 14試合、22回、473yds(平均21.5yds)、0TD
 PRアントワン・ランドルエル 14試合、44回(FC12回)、448yds(平均10.2yds)、2TD


 Kリードはまずまず。40yds超では6/11と著しく成績が落ちるが、内側なら100%成功。使いどころを押さえて行けば、リーグ10位の117得点を挙げた右脚はまだまだSteelersの大きな武器だ。ただ、FGブロックが極めて多かった今シーズンの流れ(kiyotaさんの『「NFL勝敗表(希望)」の補足とか』に詳しく書いてある)に呑まれたか、Kリードも2FGブロックを与えている。以前のプロ3年間でゼロだったのに。要修正だわな。
 Pガードッキは、平均距離でリーグ23位と不調気味にも見えたが、それでも堅実なキックを続けた。特筆すべきは、15年・1,112回連続のブロック0の大記録。神業の領域に入っていると思う。距離は絶頂期からすれば落ちているが、まだまだリーグトップのパンターであることに異を唱えられる者は居まい。
 リターンチームは、キックオフに関してはやや不満。一発の脅威に欠けるのは何故だろう。敵リターナーに散々ビッグリターンを許してこちらはすぐに止められるゲームも目立ち、それは即ち常に苦しいフィールドポジションでの展開を強いられる事になった。これだけでも2〜3試合は損してる気がする。パントリターンWRランドルエルは優秀。2TDはリーグ単独トップ。


 全体を見ると、「先制点を奪い、ラン攻撃で時間を消費しつつ、鉄壁の守備陣で守り切る」というタクティクスは今季も健在。今季喫した黒星5つのうち、先制点を奪われたのがPatriots戦、Jaguars戦、Ravens戦、Colts戦の4試合、残るBengals戦も前半から常に1TD差前後を追い掛ける展開。やはり、パス攻撃のみでは攻撃の迫力に欠けるチームだけに、「先行逃げ切り」のスタイルが崩されると辛い。


 果てさて、プレイオフ
 ワイルドカード・プレイオフでは、同地区のライバル、もとい、ポッと出のまぐれ当たりチーム(と敢えて呼ぶ)、昨年までの“ダメ虎”(とも呼んでみる)、Bengals。今季大ブレイクのQBパーマーからWRチャド・ジョンソンWRT・J・ハウシュマンザデイへのパス、RBルディ・ジョンソンの鋭いラン、CBデルサ・オニールインターセプトetc.と派手な武器が多いが、地力で劣るとは思えない。week17で(主力を控えに回したとは言え)Chiefsに537ydsを奪われ3-37と完敗した試合を見ると、色んな部分に穴も多いチームだ。特に、リーグ20位と強いとは言い難いラン守備は、Steelersが狙うべき大穴。シンシナティの寒さも考えると、得意のラン攻撃でロースコアの勝負を挑むべき。タッチダウン数で劣りながらも粘り強く戦い抜き、16-14でSteelers勝利と見た。
 ディヴィジョナル・プレイオフでは、大激戦の西地区を制したBroncosとの一戦。リーグ2位の破壊力を誇るラン攻撃と同じくリーグ2位の鉄壁の守備を武器とする難敵だ。似たスタイルと呼べるかも知れない。ただ、パス守備はリーグ29位と案外脆さを秘めている。ここは一丁、QBベン様の奮起に期待したい。CBチャンプ・ベイリーに徹底マークされるであろうWRウォードを囮にTEミラー等へのパスを堅くヒットさせて行けば、結果は自ずと付いて来る。24-13でSteelers完勝、ばんじゃい。
 そしてAFCチャンピオンシップ。Colts、Jaguars、Patriotsの中から勝ち上がって来るのは、順当に行けばColtsか。故障者続出とタイトなスケジュールに苦しみつつも挽回して来た昨季王者のPatsも有り得るし、開幕前のオレ予想ではAFCチャンプにJaguarsを推していたのだが、Coltsには隙が見当たらない。Steelersと五分だ(と言ってみたかっただけ)。なのでColtsとの決戦として予想する。……うーん、辛いなぁ。何だかんだで21-20の辛勝。ウン、内容は兎も角として絶対に勝つ。
 そして、あれよと言う間にスーパーボウル。相手は今季のNFLチャンプと予想したPanthers。だが、オレの予想よりもSteelersは強かったのであった。35-16で圧勝。MVPはパス・レシーヴ・ラン・リターンの4つでTDを挙げたWRアントワン・ランドルエル。マジかよ。