焼きソバの内包する自己矛盾と容赦無き外界からの不法侵犯。

 最近妙に、焼きソバが喰いたかったりした。
 元来、「焼きソバ」「お好み焼き」「イカ焼き」「タコ焼き」なんかの、所謂「お祭りメニュー」が好きなオレだが、ずっとその類の料理を作ってなかったので、ちょっと飢えていたのかも知れない。ソースの焼け焦げた芳ばしい薫りを、DNAレヴェルで欲していたのかも知れない。
 んで、実家に帰った際に土地の山芋を頂いたので先日はお好み焼きを作り、晩飯にしたり弁当にしたりと満喫した(まだあと2回分くらいの山芋が残ってるので、うち1回はトロロ飯にして楽しむつもりだ)。更に、ふと立ち寄ったスーパーでソバとイカが安かったので迷わず購入し、焼きソバを作る算段は整った。
 んで、今宵の宴は焼きソバよ♪、と作ったのだが。
 明日の弁当にも詰め込むつもりで、フライパンに2玉を投入し作った。んが、どう考えても今日の晩飯と明日の昼飯の2回で喰い切れる量では無い。おかしいな、如何にイカやキャベツや玉ネギやモヤシやと大量に副食材を放り込んだとはいえ、昔は一度に3玉とか喰えたのに。やっぱり成長期とは食欲が違うもんなんだなぁ(と、成長期を遥か遠い過去に感じる今になって思う)。
 余談だが、オレは「薬味」「香辛料」の類が大好きだ。
 単に辛かったりしょっぱかったりを好むのでは無く、「ゴンザレス」という解り易いメキシコ人はたまた「ピエール」という名の典型的なフランス人の如き何とも言えない薫り高さや、雪がしんしんと降り積もる寒い冬の夜更けに下腹部の異状を感じて飛び込んだトイレで便座に座るとケツが3つに割れそうな程に冷たかった時さながらの独特の刺激が好きなのだ。意味が解らないという方、大丈夫、書いてるオレも解らない。
 兎に角まぁ、オレは料理に無闇矢鱈と色んな薬味を放り込む。今回は、青海苔や削り節や刻み葱や、部分的にはマヨネーズなんかも試してみた。
 うーん、野菜が多過ぎたのもあるが、ソバの味がしない。「キャベツのソース炒めの青海苔風味」だ。またそれも一興なのだが。
 あ、注釈だが、「迷わず購入」ってのはウソで四半時間は考え込んでたり、「如何に」と「イカ」をかけてあったり、やっぱ書かない方が尊厳が護れてたり。