NFL2005ドラフト1巡指名選手の開幕戦の出来栄えは如何に?と調べてみたら、意外な人物が活躍してた、の巻。


 遂に開幕したNFL2005シーズン。開幕を待っていたのはファンばかりでは無い。一番待ち望んでいたのは、今季NFL入りを果たしたルーキー達では無いか!?
 という訳で、今季の新人の開幕戦スタッツを紹介してみたい。とは言っても、全員のデータを洗える訳でも無く。取り敢えずは、最も注目を集める1巡指名32選手に絞ってみる。因みに☆印は、開幕スターターの座を見事に射止めた選手。
 1位   QBアレックス・スミス49ers) 出場せず <2番手QB>
 2位 ☆ RBロニー・ブラウンDolphins) 22回57ydsラッシュ、1回4ydsレシーヴ <エースRB
 3位   WRブレイロン・エドワーズ(Browns) 2回16ydsレシーヴ <3番手WR
 4位   RBセドリック・ベンソン(Bears) 3回10ydsラッシュ <3番手RB
 5位 ☆ RBカーネル・ウィリアムズ(Buccaneers) 27回148yds1TDラッシュ <エースRB
 6位   CBアダム“パックマンジョーンズ(Titans) 出場せず <故障中?>
 7位   WRトロイ・ウィリアムソン(Vikings) 出場するも記録無し <5番手WR
 8位 ☆ CBアントレル・ロール(Cardinals) 0タックル(1アシスト) <先発CB
 9位   CBカルロス・ロジャーズ(Redskins) 出場するも記録無し <控えCB
 10位   WRマイク・ウィリアムズ(Lions) 1回3ydsレシーヴ <4番手WR
 11位 ☆ DE/OLBドゥマーカス・ウェア(Cowboys) 2タックル <先発LOLB
 12位   OLBショーン・メリマン(Chargers) 出場せず <故障中>
 13位 ☆ OTジャマール・ブラウン(Saints) 出場するも記録無し <先発RT
 14位 ☆ FSトーマス・ディヴィス(Panthers) 4タックル(1アシスト) <先発FS
 15位 ☆ OLBデリック・ジョンソン(Chiefs) 8タックル(1アシスト)、1サック <先発LOLB
 16位   DTトラヴィス・ジョンソン(Texans) 2タックル <控えLE>
 17位   DEディヴィッド・ポラック(Bengals) 6タックル <控えLOLB
 18位   DEエラスマス・ジェイムズ(Vikings) 出場せず <控えRE>
 19位   OTアレックス・バーロンRams) 出場するも記録無し <控えLT
 20位   DEマーカス・スピアーズ(Cowboys) 1タックル <控えLE>
 21位   WR/QB マット・ジョーンズ(Jaguars) 2回22ydsレシーヴ、2回28ydsラッシュ、1/1回6ydsパス <4番手WR
 22位   WRマーク・クレイトン(Ravens) 5回44ydsレシーヴ <3番手WR
 23位   CBフェイビアン・ワシントン(Raiders) 出場するも記録無し <控えCB
 24位   QBアーロン・ロジャーズ(Packers) 出場せず <3番手QB>
 25位   QBジェイソン・キャンベル(Redskins) 出場せず <3番手QB>
 26位   Cクリス・スペンサー(Seahawks) 出場するも記録無し <2番手C
 27位   WRシャーロッド“ロディ”ホワイト(Falcons) 出場するも記録無し <5番手WR
 28位   DTルイス・カスティロ(Chargers) 2タックル <控えLE>
 29位   CBマーリン・ジャクソン(Colts) 出場するも記録無し <控えCB
 30位   TEヒース・ミラー(Steelers) 1回3yds1TDレシーヴ <3番手TE
 31位   DTマーク・パターソンEagles) 5タックル(1アシスト) <控えDT
 32位 ☆ Gローガン・マンキンズ(Patriots) 出場するも記録無し <先発LG

 こうして見ると、攻撃ではBuccaneers5位指名のRBカーネル“キャデラック”ウィリアムズが、守備ではChiefs15位指名のOLBデリック・ジョンソンが、いずれも優れた結果を残している。Cowboysの1位指名コンビ、LOLBドゥマーカス・ウェア&REマーカス・スピアーズも上々のデビューだったようだ。
 ドラフト1巡以外でも、QBカイル・オートン(Bears4巡指名)、RB JJ.アーリントン(Cardinals2巡指名)などが開幕戦出場を果たしている。まぁ、QBオートンは15/28、141yds、0TD/1INT、RBアーリントンも8回5ydsランと苦しんだようだが。


 だが特筆すべきは、Jaguars1巡21位指名のWRマット・ジョーンズ。チームオフィシャルHPを参考に、ちょっと紹介。
 アーカンソー大では4年間QBを務め、恵まれた身体能力を活かしたスクランブラーとして活躍。3年時の2003シーズンには89回633ydsラッシュで8TDを挙げQBとしての大学記録を塗り替えた。4年時には、152/264回2,073yds15TDのパスと83回622ydsのラッシュでチームを牽引、オールアメリカのセカンドチーム選出も受けている。大学通算でパス成績は417/755回、5,857yds、53TD/30INT、ラッシュ成績は382回2,535yds、24TD。この通算2,535ydsラッシュの記録は、アーカンソー大史上でRBを含めた全プレイヤー中6位に位置している。
 本職のQBとしてのNFL首脳陣の評価は今一つだったが、WRとして参加したドラフト前のコンバインで一躍脚光を浴び、WR経験は皆無にも拘わらず1巡指名を受けるに至った。198cm110kgの巨体と、それに似つかぬ40yds走4.37secの快足。レシービング技術もまずまずとのことだが未知数の部分が大きく、図抜けた身体能力のみで高額契約を勝ち取ったと言っても過言では無い。
 プロ入りに際しても、「いずれはQBをやりたい」と、WRとしての入団はあくまでも腰掛けの如き発言で大物ぶりをアピールサラリーでも、出来高払いが契約金の大半を占める異例の契約(ベースの給料は滅法安いが、シーズン70レシーヴを達成すれば最高67.5万ドル(約7億円)のボーナスを手にする)。大胆と言うか大物と言うか。まぁビッグマウスも、実力相応であれば非難の声も鎮まるというもの。


 うむ、それにしても、2回22ydsレシーヴ、2回28ydsラッシュ、1/1回6ydsパスとは、NFLデビューの新人とは思えぬ成績だ。
 TV中継を観ていない(ちゅうか、放送してない)ので判らないのだが、どんなプレイでラッシュとパスを記録したんだろう?しかもラッシュは、アテンプト2回だぞ、WRなのに2回。パスだって、元来QBだったので投げれるのは投げれるし、それを見越してリバースプレイなんかからパスを投げるシチュエーションが無いことは無いだろうが、それでもそれを成功させるとは。
 ゲームのFull-Play-by-Playデータを見てみると、彼が記録に残るプレイは以下の通り。


 1stQ 残り12'30 2ndDOWN-4yds 敵陣8yds ショットガン体型から右へのラン、5yds獲得。
 1stQ 残り8'19 3rdDOWN-2yds 自陣28yds フォルススタートの反則で5yds罰退。
 1stQ 残り7'14 3rdDOWN-7yds 自陣23yds QBレフトウィッチからの1ydsパスをレシーヴ。
 1stQ 残り5'16 1stDOWN-10yds 自陣47yds 左への25ydsラン。
 2ndQ 残り13'14 3rdDOWN-10yds 自陣40yds ショットガン体型でQBレフトウィッチからのパス失敗。
 2ndQ 残り0'35 2ndDOWN-10yds 自陣28yds ショットガン体型からQBレフトウィッチからのパスを受け12yds獲得。
 3rdQ 残り14'03 2ndDOWN-9yds 自陣23yds WRレジー・ウィリアムズへのパスを成功させ6yds獲得。
 3rdQ 残り8'50 1stDOWN-Goal 敵陣7yds QBレフトウィッチからのパス失敗。
 4thQ 残り6'47 3rdDOWN-8yds 自陣47yds QBレフトウィッチからのパス失敗。


 うーむ、1回目のランはショットガンからのフェイクとして、2回目は何だ?それに、この試合唯一のパスを投じた3rdQ序盤は、まだ13-14と1点ビハインドの局面だ。ここは確実に前進して、最悪でもFGを返して逆転しときたいところ。そこでWRのパスを選択したのは、Why?まさか、QBレフトウィッチが一時的にフィールドから外れており(軽い打撲とかで)、緊急避難的にスナップを受けたとか!?いや、だったら普通は控えQBディヴィッド・ギャラード辺りが出て来るだろう。
 まぁそれにしても、当然ながらパスシチュエーションでよくボールが回って来てる。身長があるし、レッドゾーンのターゲットとしては適任なのかも。
 パスは兎も角として、ランで2回、レシーヴで1回のダウン更新。貢献度はまずまずか。サイズこそ違え、元SteelersのQB/WR/PR/KRだったコーデル“スラッシュ”スチュワートみたいな万能っぷりだ。


 うむー、このまま“ユーティリティプレイヤー”になるよりも、QBからリーグ屈指のWRへと見事な転身を果たしたSteelersのWRハインズ・ウォードみたく、WR一本で一流になって欲しいんだがなぁ。