NFL2005week5マンデーナイトゲーム(Pit.Steelers@S.D.Chargers)観戦レビュー其の伍、4thQの魑魅魍魎、の巻。
<4thQ>
Steelers-4thDrive
WRクインシー・モーガンの37ydsの好リターンで始まった、再逆転を狙うドライヴ。最低でもFGが欲しい。
と、ここで、QBベン様が鬼神の如く剛腕を振るう。WRウォードへ33ydsパス、13ydsパスと連続ヒットさせ一気に敵陣16ydsまで攻め込むと、今度はTEミラーへTDパス!
な、何だったんだ。僅か3play、ノーミスで62ydsを前進しタッチダウン。余りにもあっさりと得点し過ぎて、何が起こったか一瞬判らないような怒濤のドライヴ。
まずは最初の2パスの感想。うーん、WRウォードのようなサイズと馬力があるレシーバーは、そんじょそこらのCBでは止まらないなぁ。CBジャマーもCBディヴィスも、高い身体能力は認めるが、まだまだ若いな。
次に、タッチダウンのプレイ。TEミラーは、真っ直ぐ切れ上がるスピードとフリーになる動き、堅実なレシーヴが良かった。コイツは大きな武器になる。この試合のみならず、シーズン全体、そしてSteelersの将来を長いスパンで見ても、TEミラーは期待出来る。
兎にも角にも、21-16とSteelersが再びリード。
3play62yds(ダウン更新2回、1分11秒)-タッチダウン
Chargers-5thDrive
残り時間も10分半、いよいよ正念場。
またもRBスプロールズに31ydsと中々のリターンを許し、S.D.陣38ydsからの守備。スペシャルチーム、もっと踏ん張れ。
QBブリーズからのパスが2回連続して失敗となり、「よっしゃ」と思ったのも束の間、フワリと舞うイエローフラッグ。LBジェイムズ・ファリアーがイリーガルコンタクトの反則で5yds罰退、1stDOWN更新を許す。頼むよ、まったく。
ここからはChargersが誇る両輪、QBブリーズとRBトムリンソンの、土煙が立ち昇るような進撃。QBブリーズは「一発ターンオーバーを許したらゲームが終わる」ってのをよく解ってらっしゃるようで、堅実にショートパスを繋げる。RBトムリンソンも、そうそう長い距離を駆け抜ける事は出来ないまでも、(恐らくは)必死の形相で、遮二無二前進を続ける。Sクリス・ホウプ、LBポラマル、LBファリアーが立ち向かうも、ショートヤーデイジの1stDOWNを獲りに来たRBトムリンソンを封じるのは無理。多分NFL全体で見ても、止められるLBは居まい。
気が付くと、次々と1stDOWNを更新され、自陣エンドゾーンは僅か2yds後方。ここまで攻め込まれると「あー、こりゃ無理だ」と思ったら、やっぱり。RBトムリンソンの中央突破でタッチダウン。
更に2pt-Conversion。またもRBトムリンソンのラン。左オフガードに飛び込むが、これはストップ。パスだったらヤバかった気もするけど、まぁ結果オーライか。
いずれにしろ、21-22と再々逆転。
11play52yds(ダウン更新5回、5分48秒)-タッチダウン
Steelers-5thDrive
Chargersに6分近いドライヴを許したため、残り時間は4分半、点差は僅かに1点。出来るだけ長い時間を消費し、FGが狙える位置まで前進したい。WRウィルソンの29ydsリターンで自陣38ydsからの攻撃となったので、具体的には、4分半目一杯使って40yds程度前進したい。
ってことは、RBベティス。目一杯時間を使いつつ、堅く地道に粘り強く前進したい。
ってのが、やはりHCカウワー殿には解ってらっしゃるようだ(誰でも解る)。兎に角、RBベティスが走る。QBベンのショートパスを絡めつつ、只管猛進。長い距離をブチ抜くplayは1つたりと無いのだが、力強く逞しい攻撃。嗚呼、これこそが、オレを虜にしたPittsburghのランアタックだ。
このドライヴのplayは、全て記そう。
1-10-PIT38 (4:36) RBベティス 3ydsラン DLに潰されたが、それでも3ydsゲイン。
2-7-PIT41 (3:58) QBベン→TEミラー 6ydsパス こういうパスで相手LBの裏を衝けるからTEミラーの存在は大きい。
3-1-PIT47 (3:17) RBベティス 2ydsラン(1stDOWN更新) 残り1ydsでRBベティスのランと解っているのに止まらない。
1-10-PIT49 (2:35) QBベン→WRウォード 4ydsパス これでセンターラインを越え敵陣に侵入。
2-6-SD47 (2:02) RBベティス 5ydsラン こう中央突破を続けられると、LBランドール・ゴドフリーも大変だ。
3-1-SD42 (1:58) RBベティス 4dsラン(1stDOWN更新) LBゴドフリー、このドライヴ3回目のタックル、お疲れだね。
1-10-SD38 (1:18) QBベン→WRランドルエル 9ydsパス あれ、1stDOWN獲れたと思ったんだが。いずれにしろ、FG圏内に到達。(※)
2-1-SD29 (1:05)RBベティス 2ydsラン(1stDOWN更新) 残り1ydsでRBベテ(以下略)。
1-10-SD27 (:57) RBベティス 2ydsラン 当然だけどQBチャーリー・バッチはやはりパス投げないんだな、RBベティスに渡すだけ。
2-8-SD25 (:17) RBベティス 3ydsラン さぁ来た、時間調整もバッチリ。
(※)このプレイで一年生DEルイス・カスティーロのバカタレが膝へのヘルメットダイヴをかまし、QBベン様が負傷、サイドラインに下がる。
つ、強い。それに見事。下手に一気に前進し得点してしまうと、Chargersに微妙な時間を残して攻撃権を渡すことになるのだが、凄いゆっくりと、しかし堅実に攻める。リードしてるChargersの方が残り時間を気にしてる。あれよと言う間に、見事4分半で40ydsを前進、理想的。
さぁ、いよいよKリードのFG!距離は40yds、Kリードにとっては問題無い(たまにポカるが)。フィールドの興奮も最高潮!
そして、放たれたキックはゴールのド真ん中に吸い込まれ、Steelersが24-22と再々々逆転!
11play40yds(ダウン更新3回、4分36秒)-FG成功
残り時間は僅かに6秒、ただ、何が起こるか判らないのがアメフト。リターンタッチダウンだけは避けねば。
因みに、FGを3rdDOWN、残り10秒の時点で挑戦した(ギリギリの時間まで消費してリターンタッチダウンのリスクを避けなかった)のは、KiyotaさんやWilliamさんが仰るように、
> ボールをホールダーがうまくセットできなかった場合に、もう1回やり直す時間を念のため残していた、ということだと思います。サードダウンでしたし、ホールダーが外に投げ捨てれば、時間も止まります。
> スナップが悪かった場合に蹴らずにdownして、もう一回蹴り直すための時間をとっておいた思います。Kick Off Ret.TDよりもBad Snapの方が確率が高いと踏んだのでしょう。
ってのが、オレも真相だと思います……って、オレはリアルタイムでそこまで考えてたワケでも無いけど(^^;)。
兎にも角にも、英雄になったばかりのKリードが天高く蹴り上げ、ボールはChargers陣23yds地点へ……って、ちょっと短か過ぎないか?するとRBスプロールズがスルスルとリターン、センターラインまで到達。
っとここで、FSタイロウン・カーターのタックルでRBスプロールズがファンブル、FSカーターがリカバーし試合終了!
最後は何だかドタバタの中の幕切れとなったが、白熱の試合の終結ってのは、得てしてこんな感じだ。
そしてファイナルスコア、24-22、Steelersが見事な勝利!バンザーイッ\(^O^)/!!