NFL2005シーズン前半戦の総括および後半戦の展望めいたもの、1回消えたのでテンションが妙になってる、の巻。

 NFL2005シーズンも全チーム8試合ないし9試合を終え、全16試合のちょうど折り返し点を過ぎた辺りとなった。そこで、前半戦の

成績をちょっと振り返ってみたい。


 先ずは順位表を。個人的に一番見易いと思う「NFL JAPAN」の順位表で紹介。
    http://www.nfljapan.co.jp/nfl2005/standings/index.html
 シーズン開幕当初の予想(http://d.hatena.ne.jp/esperanca/20050910)と比較すると、まぁまずまずの的中率ではないでしょうか?各カンファレンスのチャンピオン予想に持って来たJaguars・Panthersもプレイオフ進出圏内に居るし、BengalsやBears、Cowboysの躍進もヒット。プレイオフ予想チームで低迷してるのはRavens、Vikings、Saintsの3チームで、この辺がどうにかなれば完璧だな(無理そうだが)。


 細かく見て行くとしよう。
 先ずはAFC
 東地区は勝ち越しチームが無く、昨季王者たるPatriotsが4勝4敗でトップ。北地区はBengalsとSteelersが2敗、1試合多く消化してるBengalsが一歩リードしている形。南地区はColtsが現時点リーグ唯一の全勝チームとなっており、2位のJaguarsに3ゲーム差を付けて独走状態。西地区は2敗のBroncosを3敗のChiefs、4敗のChargersが追う展開。
 昨季プレイオフに進出したチームでは、Jetsが2勝6敗に沈んでいるが、他は実力相応に上位をキープ。
 最下位はTexansの1勝7敗。「よく全敗を免れたもんだ」と思えるくらい、今シーズンは酷い。エキスパンション初年の頃に逆戻りしたみたいだ。QBに故障が相次ぎ悲惨な状況のJets、目を覆いたくなるほど散々なオフェンスが脚を引っ張るRavensが2勝。


 続いてNFC
 東地区は大混戦。6勝のGiantsが頭一つ抜け出し、5勝のCowboys&Redskins、4勝ながらも昨季スーパーボウル進出のEagelsが追う展開。北地区は不振のチームが多く、あれよと言う間にBearsが5勝で抜け出した。南地区は、Falcons&Panthersが6勝、Buccaneersが5勝と、上位3チームの争いが熾烈となっている。3チームの勝率としては全8地区中でトップ、ハイレベルな戦いだ。西地区は、Seahawksが2敗で2位のRamsに2ゲーム差を付けてトップ。
 カンファレンス最下位は、まさかのPackers。引退説が濃厚に漂うQBブレット・ファーブには頑張って欲しいが、「あまりの不甲斐無い成績で来年のリベンジへの意欲が出て来て現役続行」なんて事になるなら低迷も宜しいかと。


 ではでは、プレイオフ進出予想を含めた、後半戦の展望をば。
 AFCから見て行くと、ここは結構予想が容易に付く地区が多い。
 東地区は、何だかんだ言ってもPatriotsで堅い。前半戦こそ苦戦したが、後半戦はスケジュール的に楽になるしLBテディ・ブルースキーも帰って来た。それに、今のQBトム・ブレイディがプレイオフを逃す姿は想像出来ない。他の地区内3チーム中でPatsを上回れそうなのも居らず、まぁ10勝前後でも地区優勝に届くだろう。
 北地区は、BengalsとSteelersの一騎討ち。ここは、個人的に思い入れもあるし、別途ページを設けて書くことにしよう。
 南地区は、Coltsの地区優勝、もう当確。あとは、「パーフェクトシーズン成るか?」「プレイオフをホーム開催権を得て優位に運ぶ為にもどれだけ勝ち星を重ねられるか?」てな感じか。あ、あと、ワイルドカードを絡めて考えると、Jaguarsの勝率は重要。今季のAFC他地区を見ると、10勝だと微妙。例年よりハイレベルなワイルドカード争いかも(下位チームの負けが嵩んでるからだけど)。
 西地区は、現在3勝のRaidersも含め、全チームに地区優勝の可能性がある。今の勝ち方から見ると、トップを走るBroncosの優位は動かないが、各チームとも得点力はかなり高く、これは難しい。Broncosが11勝、昨季のシンデレラチームたるChargersが10勝、エースRBリースト・ホームズが今季絶望となったChiefsと、攻撃が少しずつ噛み合って来たRaidersが8勝止まり、て感じか。
 2つあるワイルドカードの座は、BengalsとSteelersの争いで後塵を拝したチームが一角を占めるのは確実なので、残るは1つ。恐らくJaguarsは争いに絡んで来ると思われ、西地区で地区優勝を逃した3チーム、あとは東地区のBillsが巻き返せればこれも含めるとし、最大5チームってところか。本命はChargers、対抗はJaguars、大穴はRavens……って2勝6敗だよ。残り8試合全勝しても10勝かぁ、厳しいなぁ。


 続いて、NFC。こちらはAFCと比較し、混戦が多過ぎる。
 東地区は、前述の通りの大混戦。これも後述するとしよう。
 北地区は、プレイオフの常連だったVikingsとPackersが不振に喘いでいるので、どうにもしみったれた展開となっている。ルーキーQBカイルオートンが期待を上回る上々の成績を残しているBearsが唯一の勝ち越しチーム。エースQBジョーイ・ハリントン&QBダンテ・カルペッパーが駄目なLions&Vikingsは、老兵QBジェフ・ガルシア&QBブラッド・ジョンソンに頼らざるを得なくなった。厳しいなぁ。だからと言ってPackersが巻き返せるとは思えないし。あ、でも、PackersとBearsの差は4ゲームなんだよなぁ。地区優勝ラインが9勝程度に終わるとしたら、Packersとしては残り全勝で丁度9勝。QBファーブが奇跡を起こす可能性も、ゼロとは言い切れないなぁ。まぁ、そうなりゃ引退なんだろうなぁ。
 南地区は、御贔屓のFalconsと今季NFL王者予想のPanthersが居るので、これまた別途記述します。
 西地区は、まずSeahawksで確実。2ゲーム差で追うRamsとでは安定感が雲泥の差。まず引っ繰り返せない。
 ワイルドカードは、シーズン当初の予想では南地区から2チームという驚愕の大穴狙いだったが、冗談では無いかも知れない(冗談だったんかい!)。東地区と南地区から1チームずつと云う形が順当だが、この2地区のどちらかが2つとも占める可能性も大いに有る。まぁ、どちらも地区優勝争いは後述するので、その結果となるしか無いわな。


 さてさて、今シーズン後半戦の個人的注目ポイントは。


 まず1点目は、「Coltsの連勝は何処まで続くか?」。ま、NFLファンなら誰でも興味あるだろう。
 今のところ、攻撃は昨年ほどの破壊力は無いとは言えリーグ随一の地位は揺らいでいない(得点2位、獲得距離4位)。加えて今季は、守備が絶好調(失点1位、喪失距離4位)。圧巻のスタッツだなこりゃ。
 今後のスケジュールとしては、「Texans、Bengals、Steelers、Titans、Jaguars、Chargers、Seahawks、Cardinals」の8連戦。難関は、Bengals、Steelers、Jaguars、Chargers、Seahawksか。総合力で上回るチームは見当たらないが、どう転ぶかは蓋を開けてみないと判らない。
 厳しくなるのは、地区優勝が決まる辺りに迎えるJaguars、Chargers、Seahawksとの対戦と見た。特にChargersが山場。と云うのも、Coltsにしてみれば、プレイオフ進出決定に加えてリーグトップの勝率が確定し、故障を避けるためにも主力を控えに回す、てな状況である可能性は割と高め。対するJaguarsやChargersは、ワイルドカード争い真っ只中で、死に物狂いで向かって来る。モチベーションにも差があるだろうし、厳しい戦いになるだろう。
 まぁいずれにしても、プレイオフ進出は確定的だし、このレギュラーシーズンはその後の展開を築く為の場なのも既定事実。突っ走れるようだと、有るかも知れない、Colts悲願のリーグ制覇が。


 2点目は、AFC-NORTH、NFC-EAST、NFC-SOUTHの地区優勝の行方。まぁこれは別途記述するので、その場で。


 3点目、4点目……と色々あるのは長くなったので端折って。
 続いては、個人的事項、我が御贔屓のチームの帰趨。「Steelersは、リーグ最高勝率を挙げた昨シーズンのような快進撃を見せられるか?プレイオフで勝利を挙げる事は出来るか?」「Falconsはプレイオフ進出を果たし、かつホームゲーム開催権を得られるか?スーパーボウル進出はなるか?」。


 Steelersは、現在のところOLの圧倒的な強さを武器に、順当に勝ち進んでいる。LTマーヴェル・スミスLGアラン・ファーニカ、Cジェフ・ハーティングズRGケンドールシモンズRTマックス・スタークスと並ぶ陣容は、紛れも無くリーグトップレベル。QBの前に文字通り「壁」を築き上げている。ルーキーTEヒース・ミラーも10月の新人月間MVPを獲得するなど奮闘しているし、WRハインズ・ウォードも「7人目のラインメンか?」と思うくらいの強烈なブロックを連発している。FBダン・クライダーの円熟のブロックも健在で、ブロック力の凄まじさは正しく「鋼鉄の騎士団」。
 このラインの強さに支えられ、伝統のラン攻撃は昨年を上回る破壊力を見せている。RBデュース・ステイリーRBジェロームベティスの両輪は故障を抱えつつも健在だし、重戦車RBヴァーロン・ヘインズも数少ないプレイ機会ながらパワーを見せ付け、そして今季大ブレイクの2年目RBウィリー・パーカーが圧倒的なスピードで敵DF陣を翻弄している。このラン攻撃が有る限り、大敗する姿は想像しようもない。地味ながら安定感は群を抜いている。
 そして、守備陣も「スティールカーテン」健在をアピール。3-4守備の要たるLB陣は、LOLBクラーク・ハガンズLILBジェイムズ・ファリアーRILBジョーイ・ポーターROLBラリー・フーツと、錚々たる面々が期待通りの働きを見せている。LBファリアーの68タックルを筆頭にいずれもタックルを量産しているし、LBハガンズLBポーターは共に4サックを挙げLBとしてリーグ3位、LBハガンズは3ファンブルフォースでもLBリーグ3位だ。苦しい展開でビッグプレイを決めてくれる頼もしさも大きい。
 QBベン・ロスリスバーガーが故障で離脱、代役の旧エースQBトミー・マドックスは輝きを失って、現時点でのシグナルコールはQBチャーリー・バッチに頼らざるを得ない状況だが、それでも勝てる自信があるのは、やはり安定したラン攻撃と堅固な守備があるからこそ。
 このまま行けば、連続プレイオフ進出はかなり高い確率で叶えられそう。あとは、プレイオフでの展開だわな。うーん、こりゃ判らない。


 Falconsは、QBマイケル・ヴィックの不調&負傷、RBダケットの負傷etc.色々とありつつも、取り零しも少なく乗り切ってきている。ここまでの2敗はSeahawksとPatriotsに付けられたもので、いずれも3点差だし勝ってもおかしくない展開だった。
 Falconsと言えば、やはりラン攻撃。QBヴィックのランがここまで57回340ydsと低調(!)なので、去年より破壊力を欠いているような印象を受けるが、実はRBウォリック・ダンRBダケットも成績を伸ばしており、ここまでの1試合平均184.9ydsは昨年の167.0ydsを大きく上回っているのだ。無論、リーグ首位の座は、他者に譲るべくも無い。無敵のラン攻撃を支えているのは、FBジャスティン・グリフィスの成長だろうなぁ。
 ラン攻撃で時間を消費しつつ得点を重ね、守備で逃げ切るのがFalconsのスタイル。その守備の要は、今季もサックを量産しているDL陣と、LBデモーリオ・ウィリアムズLBキース・ブルッキングタックルマシーン・コンビ、そしてエースキラーCBアンジェロホールだ。
 DLの中でも奮闘が際立つのが、DTロッド・コウルマン。ここまで挙げた7サックはリーグ4位タイ、DEを除けば堂々のリーグトップだ。彼が中央を押し込むからこそ、DEパトリックカーニーDEブレイディスミスサックショーが繰り広げられる余地が生じる。
 今季成長が光るのが、CBアンジェロホール。4インターセプトはリーグ2位、78ydsリターンも8位だ。8パスカット、41タックル、1ファンブルリカバー(1リターンタッチダウン)もまずまず。上背には欠けるが、常に相手エースWRとマッチアップしつつこれだけの成績を挙げられるのだから、まっこともって大したもんだ。
 問題は、やはりパス攻撃。平均149.0ydsでリーグ28位、9TDパスは21位。個人のパスレシーヴでも、TEアルジー・クランプラーが440ydsでリーグ16位、WRブライアン・フィネランが330ydsで30位がやっと。QBヴィックのQBレイティングも70.8と低迷している。これでは、幾らラン攻撃が強くても攻め込めない。辛いが、我慢を続けるしか無いのか。
 まぁ、パス攻撃が貧弱なので大量得点は見込めないものの、ここまでは順当に勝ち星を拾い続けている。要は、勝つ事が大事。
 あとは、プレイオフで勝ち残る事だな。プレイオフで後先考えなくても良い状況になると、怪我が怖いQBヴィックのランも思い切って繰り出せるうようになるので、実際問題としてかなりの強みになる。まぁ、捨て身の作戦は、使わないのが最善の選択なんだが。
 まぁ今は、先々の事よりも、目先の勝利が必要。強豪犇くNFC-SOUTHは、トップ通過する方がNFCチャンプになるより難しいかも知れない。走り抜けろ!


 はてさて、楽しみなNFL2005シーズン後半戦は、明日早朝から始まる。