NFL2005シーズンWeek10を中心とした一連のニュースに対する一言コメント、の巻。

 色々と面白いプレイや波乱万丈の試合展開も多かったNFL2005シーズンWeek10だが、残念な事に風邪の具合が悪かったので、あまりきちんと観ることが出来なかった。とりあえず、気になったニュースについて、ちょっとずつ語りたい。


 コルツ開幕9連勝、ファルコンズが敗れる波乱!!
 うーん、ColtsがTexansに勝つのはまず鉄壁だったが、まさか今季6勝2敗のFalconsが1勝7敗のPackersに負けるとはなぁ。これだからアメフトってのは分からない。
 大番狂わせの立役者は、「活ける伝説」QBブレット・ファーヴ、だったらまだ気も治まったのだが、「2代目Nigerian Nightmare」RBサム・ガードウ。ランでの25回103yds、2TDに加え、パスレシーヴでも1TDを挙げ、33-25の勝利に大きく貢献。
 このRBガードウ、ナイジェリア出身の23歳、今季のドラフト外新人である。RBアーマン・グリーンRBナジェイ・ダヴェンポートRBトニー・フィッシャーと相次いで故障離脱するチーム状況を受け、先のSteelers戦で好プレイを見せ、このFalcons戦で初めてスターターに大抜擢された。
 そのRBガードウだが、ドラフト外新人ってのもあって、オレの持ってるプレイヤー名鑑とかにも載ってない(高かったのに……)。なので、これ以上の事はあまり判らない(「Packer Zone」さんとかが詳しいけど)。
 なので、「初代Nigerian Nightmare」たる、同じナイジェリア出身のRBクリスチャン・オコイエについて、少し。


 RBオコイエは、Chiefsで活躍した名ランナー。
 1987年にドラフト2巡でChiefs入りすると、同年中に先発昇格。以来、実働6年間で79試合に出場、ラン1,246回4,897yds、40TDを挙げている。1989年に挙げた370回1,480ydsはいずれもこのシーズンのリーグトップであり、12TDも5位の好記録である。この年と1991年の2回、プロボウル選出も受けている。
 185cm115kgの巨体を誇るパワーランナーであるが、100mを実に10.15secで走り抜ける桁外れのスピードも有していた。トップレベルのWRCBより速い。つか、オリンピックのスプリンターより速い。
 ファミコンゲームの「テクモスーパーボウル」での圧巻のプレイは、一見の価値あり。パラメータが「燃えろ!!プロ野球」における落合並みで、守備に囲まれようが3人くらい軽々と吹っ飛ばしてロングゲインを重ねていた。ま、これは虚構世界での話だが。
 アメフト経験僅か3年にしてNFL入りしリーディングラッシャー、史上最強とも言われるパワー、独特の突進、経験不足から時折犯すポカ、「伝説」を幾つも築き上げた超個性派ランナーである。
 RBガードウRBオコイエ並みに、世界中のファンから愛されるスターになれるか。請う御期待。


 ベアーズのDBヴァシャーがリターンTDのリーグ新記録
 いやぁ、今シーズン最大とも言えるかも知れない、好プレイであり珍プレイだね。歴史的価値&インパクトとしては、中日・宇野のヘディングに勝るとも劣らないレベル。
 自陣エンドゾーン内でFGミスのボールを受けると、一旦左に走り、4、5人の49ersカバーマンに捕まったところで方向転換、右サイドライン際を一気に駆け抜け、そのまま相手エンドゾーンにまで走りこみタッチダウン
 この108ydsってのは、RavensのCBクリス・マカリスターが2002年に作った107ydsリターンTDの記録を3年振りに破る快記録だそうで。
 ま、フィールドの端から端までが100ydsである以上、100ydsを越える距離ってのは、実際のところあんまり意味は無いと言えなくも無い。フェンスを越えればどんだけ飛ばしてもホームランはホームラン、ミグ戦闘機を撃墜しようが太平洋を横断しようが1点は1点、てな部分も有るには有る。
 それでも、そんな部分にこそ、浪漫ってのが有るわけで。
 そもそも、自陣エンドゾーン内、しかも8ydsも入った地点でキャッチしても、そこからリターンに行く勇気が凄い。幾ら、前半残り3秒からのFGで、ダウンしてもそこで前半終了だったとは言え、逆に言えば、どれだけ前進しても108yds進まねば前半終了で徒労に終わる。CBヴァシャーがボールを捕った後に一瞬だけ躊躇したのは、「前を向いた時に、敵陣エンドゾーンが遥か遠くに霞んで見えて、気が遠くなったから」ではないだろうかと、個人的には思ってる。
 それにしてもこの試合、26mphの強風が吹き荒れていたとの事だが、大荒れに荒れた試合となっている。
 攻撃自体では、49ersが161yds、Bearsが239ydsしか進んでいない。うちパスでは、49ersが1回28yds、Bearsが8回67ydsだ。49ersが3回のファンブルロスト1回)に対しBearsが5回(ロスト3回)、INTが両チーム1回ずつ、FG失敗も1回ずつ。草フットボールかよ。


 BearsのCBネイサン・ヴァシャーってのは、なかなかのビッグプレイメイカーのようだ。
 大学通算17INTの実績を引っ下げ、テキサス大からドラフト4巡でBears入りした昨年は、ルーキーながら5INT、しかもカンファレンス1位の177ydsリターン(1ReturnTD)をマーク。身長178cmと上背には欠けるが、反応速度・カバー力・スピードが自慢の新鋭DBだ。
 今季もここまで9試合全てに出場。既に昨年残した29タックル・5INTに迫る、27タックル・4INTの活躍振り。チームのパス守備に欠かせない人材となっている。
 現時点で6勝3敗と好調なチームがもしこのまま勝ち続けるとしたら、MLBブライアン・アーラッカーとこのCBヴァシャーは、一気にMVP候補だね。RavensのLBレイ・ルイスとSエドリードみたいだ。
 だとしたら、Bearsの躍進の鍵は、コイツが握ってる、かも。


 パンサーズのフォックスHCが、選手の暴言について謝罪
 この発言自体は、心情をありのままに語っただけだと思うんだけどね。つか、観てた人は100人中100人がそう思っただろうし(Jetsファンを含め)。
 だって、QBブルックス・ボウリンジャーが2回のオフェンスシリーズ連続でインターセプトを喫し3-30となった後は、まぁ残り5分半で27点差なので逆転は不可能とは解っているものの、特にハリーオフェンスを行うでも無く、10回の攻撃中実に9回をラン攻撃に費やし、現に無駄に時間を消費しただけで敗れ去っている。
 それでも言ったらダメなんかねェ。「EaglesHCアンディ・リードはデブ」ってのも禁句だったりするってのか?


 イーグルスのQBマクナブが今週の試合に欠場の見込み
 まぁ、厳しいだろうとは思ってたが、やっぱ駄目だったか。「マッデン・ジンクス」は今年も破られる事は無かった。
 御存知無い方の為に説明すると、ゲームソフト「Madden NFL Superbowl」のパッケージ表紙に起用されたプレイヤーは、大スランプに陥ったり負傷したり、そのシーズンは満足な結果を残せない、ってモノ。
 例を挙げると、以下の通り。……って思ったけど、こちらに書いてあったのでそれで良しとしよう。
 来年は、もう決まってんのかな?……と思ったら、流石はU.S.A.のエンターテインメントスポーツ、本場では既に賭けが行われているらしく(こちら)。
 1位はChargersのRBラデイニアン・トムリンソン、2位はGiantsのRBショーン・アレグザンダー。うむぅ、解る気もするが、選ばれると栄光・ギャランティを手にすると共に、翌年は不幸に見舞われるのか。これは選ばれたくないなぁ。


 スティーラーズがマドックスを先発に起用
 まぁ、解らないでもない。エースQBベン・ロスリスバーガーが大黒柱に成長したとは言え、彼が華々しく登場するまでチームを引っ張って来たのはこのQBトミー・マドックスだ。NFL9年(実質14年)のキャリアを持ち、Broncosに始まりRams・Giants・Steelersと4チームで92試合出場(35試合先発)した実績を持つ34歳のベテラン。頼って良いはずだ。
 だがどうにも不安を覚えるのは、折角先発の機会を得た10/16のJaguars戦で、パス成功率僅か39.3%、154yds、1TD/3INTと不振に終わり、17-23の敗戦の元凶となった、あの試合の記憶があるからだろうなぁ。
 しかも、相手はリーグ屈指の守備陣、特にタレント揃いのDB陣を誇るRavens。INT連発じゃあ、攻撃で何点獲っても勝てない。
 かと言って、QBチャーリー・バッチも怪我したし、QBベンもまだ無理だし、補強らしい補強はしてないし……。あ、WRハインズ・ウォード又はWRアントワン・ランドルエル
 って、先週WRランドルエルはホントにTDパス決めてたんだよなぁ。
 ま、QBが誰であったって、今の戦力ならばRavens如きに遅れをとることはあるまい。両チーム20点以内での勝負になるであろうが、まず大丈夫。
 ……Ravensが元SteelersのQBコーデル・スチュワートを出してくれると面白いんだが。もうクビにされたんだったっけ?