寒空とグラタンと高校時代の想ひ出と電光石火のライトクロス。

esperanca2005-12-14

 会社からの帰路「晩飯は何にしよう」とスーパーに立ち寄ると、「冷凍食品半額セール」の文字。雪もチラつきそうな寒空だったため、何か温まるものが食べたかったので、弁当用の「唐揚げお徳用」と合わせて「ニ○レイ・エビとチーズのグラタン」を買ってみた。最近の冷凍食品はよく出来ていると聞くし、自分でホワイトソースから作るよりも手間は掛からないし安く上がりそうでもあるからだ。
 帰宅し、楽しみに袋を開ける。


 ……「この商品は電子レンジでは調理出来ません」。


 オイオイ、頼むよ。アルミ製のトレイとは予想してなかった。そうだ、ウチの電子レンジはオーブン機能も付いていたハズだ。一応オーブンで試してみる。が、上手く行かない。オレのやり方が悪いのだろうか?ヤケになって更に移し変え、レンジで温める。吹き零れる。見るも無残なグラタン(だったハズの物体)。


 そう言えば、高校時代に実家を離れて姉とアパート暮らしをしていたころ、姉が冷凍食品の「らざにあ」なるものを買って来たことがあった。直前まで山奥の田舎で暮らしていたので「らざにあ」など知らなかったので、ベルサイユ宮殿での貴族の晩餐会を想起させる何とも欧州の高貴な薫り漂うその「らざにあ」に、姉はいつになくウキウキと楽しみにしていた。
 電子レンジで温め、いざ食べようと食卓に運んでいる時。姉は何かの拍子にその「らざにあ」を取り落としてしまった。スローモーションで落ちて行く「らざにあ」。クルクルと回転し、マーフィーの法則よろしく、器では無く「らざにあ」の面が下になって着地。
 泣きそうな顔で畳の上の「らざにあ」を掻き集める姉を横目に、オレは無事だった自分の「らざにあ」を貪り喰ったのだった。


 あの時のバチが当たったのだろうか?