松紳とキム兄とキム鍋とあやしい卓上創作料理。

esperanca2006-01-12

 最近、「松紳」をよく見てる。OA時は既に寝てるので、録画したやつを見てる。
 島田紳介は感受性の根本的なところが自分と共通しているような気がするし、松本人志は言わずもがなの我がカリスマ。この2人は、紛れも無い「天才」だと思う。天才2人が奏でる、シンプルでありながらレベルの高い「笑い」の競演は、見てて本当に楽しい。


 その「松紳」、11月くらいの放送だったか、2人それぞれの休日を扱ったものがあった。
 島田紳介は淡路島(だったか?)に趣味のイカ釣りに行き、夜は行きつけの料理屋で見事な海鮮料理に舌鼓を打っていた。芸能人らしい休日の過ごし方だ。
 松本人志は、何処だかはよく判らないが、後輩の芸人達と温泉に出掛けていた。夜は、旅館の部屋に卓上コンロを持ち込み、スーパーで仕入れたらしい食材を元にメンバーそれぞれが料理を作っていた。ありふれた食材、素人の創作料理、美味そうでは無いし、芸能人らしくも無い。「フランスパンのポテトサラダのせコーヒーがけ」なんて、喰いたくもないし一生お目に掛かる事も無いだろう。


 その中で、キム兄木村祐一)が作ったスープ「野菜スープの梅肉風味」は、際立って美味そうだった。
 キム兄と言えば、辺見えみりとの結婚で今ちょっとした話題の人。ここでちょっと扱ったりもした。「自分と人生のスタンスが似ている気がしてて、ちょっとした信仰めいたものを感じていた。」なんて感じ。やっぱりそう思う。
 と云うのは、紳介や松本の場合は明らかに「天才」であり、群集の中に居ても自然と目立ち衆目を惹き付けるであろうのに対し、キム兄は「凡才」であるからだ。無論、芸能界であれだけやって行けているのだから、只の「凡才」では無い、優れた才能を持つ「凡才」だと思う。それでいて、自分の才能や存在価値をしっかりとわきまえており、「天才」とは違った角度から「笑い」を追求するセンスを持っている。イチローに対する長谷川慈利みたいな感じか。「凡人の星」と言えるかも。別の意味での「天才」と言えなくも無い。
 ……と思う。偉そうに言ってるけど。


 それにしても、あの晩餐のスタイルは面白いなぁ。
 紳介の料理屋での普通の酒宴は美味そうではあるが、まぁ高級っつっても普通だわな。けど、松本がやってた部屋での創作料理の方は、それぞれの個性を感じながらお互いを笑い合いながら、しかも料理の過程からリアルタイムで見つつ食べれる。楽しそうではないか。
 それに影響を受けたワケでは無いが、自分が作る夕食も、先ず一品作って、鮭ハラスのネギ焼きなんかをモグモグと食べつつ、「あ、次はキノコの炒め物とか食べたいなぁ」とか思ったらチャチャッと作って食べ、「微妙に食べ足りないしちょっと冷えて来たから、温かいスープ系でも食べたいなぁ」と思ったらコトコト作って啜ったりしてる。もう歳が歳なんで量はあんまり食べれないので、少しずつ作っている。
 以前登山をやってた時に、作りながら食べてた経験が影響しているのかも知れない。愛読している椎名誠の名著の一つである「あやしい探検隊」シリーズもこんなスタイルだなぁ。
 このやり方だと、その時に食べたいものが食べれるし、常に温かいものが食べれる。魚・肉・野菜と色んな食材を摂れたりもする。
 欠点は、食事時間が矢鱈滅多ら長くなってしまうことだな。3時間とか普通に喰ってる。作ってる時間もあるからずっと喰い続けてるワケじゃ無いけど。あと、それなりに色んな食材を冷蔵庫に入れとかなければならない。じゃないと、缶詰ばっかり喰う羽目になる。
 けど、このスタイルは、子供が出来たりしてもやれるもんなんかなぁ。教育に悪そうだなぁ。


 ふぁ〜、辺見えみりかぁ。キム兄もオイシイところを衝いて来たなぁ。

木村料理道―THE NABEキム’sスタイル

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