スーパーボウルスタッツ分析−ディフェンスライン篇。

 続いて、DLへ。
 ホントは↑のOLの時点で激しい頭痛に苛まれており体力的に厳しいのだが、OLだけを出して比較するのも無理な話なので、頑張ってDLまで。


 ポジションが4-3体型と3-4体型で丸々異なる両者だけに役割も全く異なり、単純な比較は不可能だが、それでも精一杯のスカウティングを実施してみたい。
 ではでは、選手紹介。


 Seahawks
  RDE グラント・ウィストロム 16試合、56タックル、4サック
  RDT マーカス・タッブス 13試合、40タックル、5.5サック、1FR
  LDT シャートリック・ダービー 14試合、30タックル、2.5サック
  LDE ブライス・フィッシャー 16試合、49タックル、9サック
 Steelers
  RDE キーモ・ヴォンオールホッフェン 16試合、35タックル、3.5サック
  NT ケイシー・ハンプトン 16試合、42タックル
  LDE アーロン・スミス 16試合、39タックル、2サック、1INT、1FR


 Seahawksの強みは、控えの面々の能力も高く結果を残している点。DTロッキー・バーナードが負傷しているとはいえ16試合、52タックル、8.5サック、2FRを挙げている他、DTクレイグ・テリールが16試合、18タックル、2サック、1FR等と優秀な成績。流石は今季リーグ最多のチーム50サックを奪っただけのことはある。
 まぁこの点はSteelersとて、DEブレット・カイゼルが16試合、33タックル、3サック、3FRの成績を残している上、先週のカンファレンス・チャンピオンシップで2サック、1FFを挙げる大活躍をしているので、選手層には遜色無いものがある。こちらもリーグ3位の47サック


 肝心のランストップだが、Seahawksはリーグ5位の94.4yds/G、Steelersはリーグ3位の86.0yds/G。何て強固なDLなんだ。
 因みに、ラン1回平均で行くと、Seahawksは3.6yds/Aでリーグ5位であるのに対し、Steelersは3.4yds/Aで堂々のリーグトップ。3.4ydsって。ランじゃほとんど1stDOWNは獲れない計算じゃん。


 先に行った通り、4-3体型と3-4体型とでは基本的なコンセプトがまるで異なるから一概には言えないのだが、両者共に素晴らしい陣容を誇っているのは事実。Seahawksはフロント4で十二分なプレッシャーを相手QBに与えられているし、Steelersは巧くランをストップしつつOLホールドして2列目からのブリッツサックを量産している。


 スーパーボウルに関して言えば、両者左サイドのOLが超強力なだけに、対面の右サイドのDLが重要。その点、SeahawksのREウィストロムのエネルギッシュなプレイは怖い。ただ、SteelersのREヴォンオールホッフェンは、BengalsのQBカーソン・パーマーを一撃で破壊した「実績」を持つだけに、怖いっつったら無茶苦茶怖い。
 逆に、左サイドのDLが若干自由度が増すと考えると、元プロボウラーであるSteelersのREスミスが、経験的にも実力的にも一歩抜きん出ている。SeahawksのRTロックリアで抑え切れるかと言えば、ベテランRGグレイ先生のカバー次第だな。


 両チーム共にラン攻撃を主体としていることを踏まえて評価すると、9.0-8.5でSteelersに軍配を上げたい。
 SteelersのNTハンプトンを中心とした頑強な守備は、大舞台でこそ活きるタイプの粘り強さを感じる。Seahawksの場合は、セカンダリーブリッツにそれほど破壊力が無いので、4メンラッシュが押さえ込まれた場合に凡庸さを感じる場合があるのが減点対象か。


 REヴォンオールホッフェンは、また「何か」やってくれそうな気はしている。