花見と悪夢の記憶と虚無と愉快な仲間。

 もう10日も前の話になるが、花見をした。
 場所は我が宿舎の駐車場の一角。何故か滑り台が置かれ、ちょっとした公園みたいになっている(とは言っても5m四方くらいしか無いが)。メンバーは、辺境の海で共に働く戦友達。お巡りさんも1人、友人のハマダちゃん。身重の奥さんを連れて、おにぎりを持参で来てくれた。天下のポリスを味方に付けているのだから、少々の触法は大目に見て下さるであろうと云う甘い考えが根底にはある。
 BBQ用にコンロを2台用意し、肉と野菜、そして大量の酒を持ち寄り、17時から花見が始まった。
 それにしても、宿舎の駐車場で花見、防人や海猿と云ったメンバー、BBQと来ると、昨年の苦過ぎる想い出が蘇る。ちょっと、昨年の雑記を掲載したい。


Apr.04 2004

 本日は、花見!
宿舎に集まり、BBQを貪り喰いつつ、談笑し、酒を酌み交わす!肉は美味いし、酒も美味い。桜は美しく咲き誇り、一縷の春風が吹き込むと、見事な花吹雪を見せてくれる。嗚呼、なんて楽しいイヴェント!・・・・の、筈だったのだが。
 18時辺り以降、記憶無し。

【現在の状況】
激しい頭痛、胃痛、胸焼け、嘔吐感。つか、吐いた形跡がある。一応自宅の布団で目覚めたのだが、これがおかしい。92は最近、布団を敷いて寝ていない。部屋の中の色々なものが、微妙にその配置を変えている。
 ・・・・嗚呼、やっちまった。
【記憶探求の旅】
 10:00頃。ポリいわもとさんと、その上司が92宅を訪れ、本日の花見計画を伝達。2人は買出しに。
 13:30頃。携帯が鳴り、BBQの準備を始める為、92も宿舎の中庭に行く。
 14:00頃。火が起こり、サラダ、キムチ、漬物、おにぎり等も揃ったところで、乾杯!
 15:00頃。麦酒から焼酎に移行。
 16:00頃。黒糖焼酎・35度(!)を、ロックで(!)呑み始める。
 17:00頃。周囲が日陰に入り、肌寒くなって来た身体を、酒で温める。一気呑みとかしちゃう。
 18:00頃。記憶飛ぶ。
 翌4:00頃。起床。周囲の状況に唖然とするも、苦痛に耐え切れず布団に潜り込む。だが眠れない。
 8:00頃。重過ぎる身体を引きずって、出勤。

 結局、現時点では、92がどのような状況だったか、全く解っていない。同席していた方々も、苦笑いして黙り込むだけだ。たまたま部屋が散らかっていたのを見られて恥ずかしいのは事実だが、まぁしゃあない。男の部屋だ。安売りしてたエロDVDとか適当に放り投げていたのは、明らかに失態だったが。
 ただ、92を部屋まで連れて来て頂いた方の1名は、警察の警備課長だったらしい。警察が絡むとは。しかも大物。92前科1犯。死刑に値する。


 何なんだろう、この悪夢は。花見の翌日は、出勤はしたものの仕事にならず、昼で帰らせて貰った。しかも帰りの運転中、自分の運転に酔って吐いた。ちゅうか、明らかに酒気帯び運転だ。「二日酔いにはトマトジュースが利く」なんてどっかで聞いたので、たまたま母上が送ってくれたトマトジュースをガブ呑みしたら、更に気分が悪くなって家中を紅く染めた。
 流石に今年はそんなのはイヤだ。学習しない人間にはなりたくない。ほどほどにセーブしつつ、一気呑みは最小限に抑え、穏やかに健やかに花見を終えた。
 とは言え、色々と大変な事も。花見の会場が我が宿舎だったため、個人的には色々と手間が掛かった。
 まず、花見の準備段階。BBQのセットを組んだり座り場所を確保したり、あちらこちらを駆け回って機材を調達したり。食材の買出しは他の者が行ってくれたから楽だったが、それなりに大変。
 次に、電気の供給。夕刻から始めすぐに陽が落ちるのは判り切っているので、照明を2台準備。その電源は我が家から採る事に。まぁ大した電気代では無いが、家の中を埃まみれのコードが走る様は、何だかなぁ的な気分。
 それに、トイレの提供、休憩所の提供。男ばっかりならばその辺で立ち小便させれば良いのだが、女性も2名ほど居たのでやはり個室が必要だ。人が次々に入るので、それなりに部屋は小綺麗に片付けておかねばならない(食材の買出しを「ちょっと用事があるので」と断ったのは、この掃除の為だ、実のところ)。家は開けっ放しにしてやった。無用心だと言われたが、いちいち開けるのも面倒だ。田舎の善良な町民達を信用する事に(ちょくちょく現れるチャイニーズやギリシャ人は信用しない)。
 そして、後片付け。実のところ、10日経った今でも、片付けは完了していない。BBQのセットは駐車場の片隅に投げ遣ったままだ。だが、それ以外の照明機材やコードリールやブルーシートやトロ箱や生ゴミや余った食材は、全てオレが始末した。焼酎なんか2升くらいあった。まだ残ってる。
 今年の花見は大分セーブしたとは言え、それなりに酔っていたので、21時過ぎにお開きにした後は倒れ込むようにして眠ってしまった。翌朝起きて会場跡を見に行くと、コンロから我が家に至るまでの道に、カボチャやら玉葱やらウィンナーやらが大量に落ちていた。何とも壮絶な光景だった。

 それにしても、今年の花見はなかなかに楽しかった。あれだけ喰って呑んで置き土産まで貰って¥1,000だったのも大黒字だった(みんなは¥2,000だったがオレは労働と場所・電気の提供の分を差し引いて貰えた)。花見も楽しいもんだ。
 ……アレ、そういや、花を見た記憶は殆ど残っていない。コレもお約束か。