最近、マンガばっか読んでる。なんか小説とかを読む集中力に欠けてると言うか、虚構の世界にトップリ身を浸したいと言うか。読むマンガも、最近流行りの「DEATH NOTE」とかじゃなくて、中学・高校時代に読んでたものが主。
 てなワケで、ちょいとレビュー、今更過ぎるくらいに今更の作品ばかりなのだが。よって、最初に読んでた当時よりもっと冷めて客観的な視点で。


DRAGON QUEST ダイの大冒険
 これが連載されてたのが平成元年〜8年だから、オレの中学・高校時代にマッポシ当たる訳だ(「マッポシ」って方言?)。当時は何故かオレより姉上の方が週間少年ジャンプにハマってて毎週欠かさず買ってたなぁ。
 それにしても、実に良く出来た話だ。今読み返してもなかなかに面白い。何処までもお気楽ノウテンキな「DRAGON BALL」なんかと違って、主人公の葛藤とか仲間の苦悩とかが少年の心に深く染み渡る。個々の戦闘にしても、細部まで掘り下げてあるから説得力がある。まぁあちらは元々ギャグ漫画でスタートしてるから、仕方無いのか。
 ちょっと誤解してた事だが、この作品って長く続いてたから登場キャラクター達も長いこと戦ってるような気になってたのだが、実は作中では3、4ヶ月しか経過していないんだなぁ(まぁこの辺は「SLAM DUNK」とかも同じだが)。キャラの顔つき・身体つきもかなり冒頭と変わってる。書き続けているうちに筆者も腕が上がって小綺麗に画けるようになったんだろうが、マァムとかレオナとかはまるで別人だもんな、チンチクリンのガキんちょから大人の女性になってる。この3ヶ月で何があったんだ、ナニか?(撲殺)
 それにしても、元ネタのゲームって、メラゾーマとかザオリクとか憶えるのって、あんなに早かったんかなぁ。結構ホイホイ使ってるし(フレイザードなんか一度に5発もメラゾーマ撃ってる)。あれくらいで憶えられるんなら、そこらの村人とかでもヒャダルコくらい使えそうだな。突然バギクロス放って来たりとか。「武器屋の主人はパルプンテをはなった」とか。
 呪文って言えば、DQ1の頃の最強呪文って、ベギラマだったんだよなぁ。それが作中では、ポップが騎士シグマを倒す時にフェイントに使って自分で喰らってる。つまりはまぁ、まともに受けても大したダメージでは無い呪文って事になってる。これは世界が進化したのかそもそも繋がってないのか、それともポップの加減が絶妙なのか。
 ちゅーか、この作品の主人公って、ダイじゃ無くて完全にポップだわな。
 貧弱で間抜けな最悪のイメージで登場し、そもそもドラゴンの騎士であるがゆえに戦闘にかけては生まれつきの天才であるダイに引け目を感じ、それでも粘り強く泥臭く努力を重ね、何度も挫折し(時には命を落とし←!)、保身に走るかと思えば自己犠牲、足掻いて足掻いて作中で最強レベルの呪文である極大消滅呪文(メドローア)を使いこなすカッコ良さも習得し、大魔王バーンとの最終決戦でも大活躍。ジャンプの王道である少年の成長物語としては完璧だわな。
 それに、どこまでも人間臭い。マァムとの恋愛・ヒュンケルとの三角関係(メルルも加えれば四角関係)も健気で甘酸っぱく、ダイとの友情はたった3ヶ月で育まれたとは信じられないくらい深く、時に吐く台詞は魂の叫びに似て。「閃光のように」の台詞なんて、ちょと涙ポロリなシーンだもんなぁ。
 因みにオレが好きなシーンは、最終決戦に臨む勇者パーティがレオナの大破邪呪文(ミナカトール)で大魔宮に乗り込むトコ。1人だけ「アバンのしるし」が光らず呪文発動の条件を満たせないポップ(やっぱりここでもポップ)が、どん底まで叩き落されて新たな力に目覚める一連のストーリー。うーん、メルル可愛い(←(゜゜;)\(--;)ォィォィ)。
 てなワケで、一家に1シリーズ、全37巻でござります。


めぞん一刻
 本線はラブストーリーのハズなのに、それを全く感じさせないギャグが実に面白い。キャラが濃過ぎるくらいに濃いのに、一の瀬夫人とか八神とかちょっと探せばその辺に居そうなのも絶妙(流石に四谷氏は居ないだろうが)。だが決めるべきところはちゃんと決めて、見事にハッピーエンドに。この辺りも巧緻だなぁ。布石は完璧なまでに後に活かされているし、穴が見当たらない。名作と呼ばれるのも解る気がする。
 んでこの作品、言わずもがなだが、主要キャラは数字が割り振られてるんだなぁ。
  0……音無響子
  1……一の瀬夫人(&賢太郎&存在感の薄い旦那)
  2……二階堂
  3……三鷹
  4……四谷
  5……五代
  6……六本木朱美
  7……七尾こずえ
  8……八神
  9……九条明日菜
 更に言えば、響子の旧姓も千草だったりする。
 「言わずもがな」と書いたが、実は最初に読んだ時(高校の頃に姉上のを読んだ)は、「0」が「音無」だとは気付いておらず、「1」は「一刻館」の「一」だと思ってて、「2」は欠番だと思っていた。
 その「二階堂」だが、ハッキリ言って、不要なキャラなのでは無かろうか? と言うのも、他の全てのキャラは、それこそ茶々丸のマスターから友人・坂本からブチョーやら何やらから愛犬・惣一郎に至るまで、ストーリーに浅からず関って来る。何だかんだ言っても五代と響子を結果的に結び付けたのは朱美だし、プロポーズのシーンでは響子の父が良い味を出している。対して二階堂は、登場しないままストーリーが終わっていたとして、本筋に何ら影響を与えないように思える。やった事と言えば、間違って一刻館に入居し、先住者と喧嘩し(そして五代にとばっちりを与え)、異常なまでの鈍さで周囲を疲弊させ、そのうち忘れられて消えて行っただけだ。別に「存在感が薄いから不要」と言っている訳では無く、「不必要な個性だから不要」と思うのだ。作者の意図として、何らかの形での必要性があれば良いのだが、それが単に「『2』を冠した登場人物を出さねば」ってだけだったら寧ろ不要。欠番があった方が謎を残せて、また違う形で布石になるかも知れない。完成度が極めて高い作品であるだけに、ここは個人的にはかなり残念なのだが。
 ついでに、「めぞん一刻」でネト検索してみたら、「小林孝博的マンガ喫茶」なるページでキャスティング希望を見っけた。2000年に作成したらしいので若干役者が古いのだが、面白かったのでちょっと紹介。
  五代:国分太一 ←あぁ、そんな感じ。
  響子:鈴木京香 ←選者の趣味?
  一の瀬のおばさん:あき竹城 ←うわぁ、似合い過ぎ。
  一の瀬旦那:角野卓造 ←もっと薄いキャラの方が。
  三鷹:松岡修造 ←コイツはいただけない。
  四谷:松本人志 ←納得(T▽T)!つか、他に居ないのでは?
  朱美:三原じゅん子 ←2000年って、コアラとの結婚前だっけ?
  こずえ:遠藤久美子 ←ポォーッとしてる辺りがナイスキャスティング。
  八神:優香 ←2000年当時での選択だとこうなるのか。
  ばあちゃん:北林谷栄 ←これまたハマり過ぎ。
  響子父:伊東四郎 ←なるほど。
  響子母:沢田亜矢子 ←似合う。
 基本的にこの「小林孝博」サンは、原作での見た目で選んでるイメージがある。けど上手い。今更ながら、やってくれないかなぁ。
 あ、因みにこの方も、「2」は欠番ってコトでキャスティングしてる点に注目。
 さてさて、更に主観的な意見。「五代が選択出来た3人、音無響子・七尾こずえ・八神いぶきの中で、誰を選ぶか?」。
 オレは、この3人だったら迷う事無く「7」の人。別に、「メガネを外したら可愛かった」てなオタク的出会いがどうだとか、高嶺の花の「0」がイヤだとか、ウザい「8」がイヤだとか、未亡人がどうとか女子高生がどうとかでは無く、良いコじゃん、普通に。冴えない五代に対してあんだけ一途に想いを寄せてくれる、それだけでも十分に価値がある。加えて、「夏の思い出が欲しいの」とかのむぞらしさ(←方言)もある。
 五代がこずえと結ばれてたら、彼の人生も大きく変わったんだろうなぁ。五代が妄想したような、普通のサラリーマンやって、家に帰ると笑顔の妻と子供が居て……てのは無いと思う。多分、響子の為に努力を重ねて保父になるような甲斐性は微塵も生まれること無く、自堕落な性分のまま生き続け、銀行員の妻に養って貰うヒモ生活を送り、時折夜の街で呼び込みとかやって福利厚生部長になってホステスの子供達のおしめ替えて、そしてやはり響子への想いは抱いたまま。それでも、こずえは見捨てないだろうなぁ。多分。
 あー、そうか。結果的に見れば就職するまで五代を選び切れなかった「0」の人より、浪人時代から五代を見守り続けどんな甲斐性無しでも見捨てないであろう「7」の人だから、このコが良いのだろうなぁ。
 ……と書いて、オレは甲斐性無しなのかと思ってしまった。
 しっかしまぁ、実に面白い作品だ。傑作だね。一家に1シリーズ、全15巻でござります(数年前に愛蔵版とか文庫版とかも出てた気がする)。

 あ、出勤時間が近付いたので、今回はこの辺りで(続くんかい)。