スーパーボウルスタッツ分析−ラッシングオフェンス篇。

 いよいよ明日はスーパーボウル


 中断していたPit.Steelers-Sea.Seahawksの戦力分析、RB/FBから再開。


 Seahawks
  RB ショーン・アレグザンダー 370回、1,880yds、平均5.1yds、27TD
  RB モーリス・モーリス 71回、288yds、平均4.1yds、1TD
  FB マック・ストロング 17回、78yds、平均4.6yds、0TD
 Steelers
  RB ウィリー・パーカー 255回、1,202yds、平均4.7yds、4TD
  RB ジェローム・ベティス 110回、368yds、平均3.3yds、9TD
  RB ヴェロン・ヘインズ 74回、274yds、平均3.7yds、3TD
  RB デュース・ステイリー 38回、148yds、平均3.9yds、1TD
  FB ダン・クライダー 3回、21yds、平均7.0yds、0TD


 Seahawksのラン攻撃は、RBアレグザンダーが全て。ボールキャリーはほぼ彼1人で負っている。堂々のリーディングラッシャーに輝いた今季、28TDのリーグ新記録もマークし、リーグMVP・リーグ最優秀攻撃選手の2冠も手にした。卂く靭く巧い突破は、驚異であり脅威。Seahawksの勝利のためには彼のランが必須であり、逆にSteelersの勝利のためには彼を止める事が最優先事項。
 FBストロングは、今季のオールプロに選出されたように、ブロッキングでは今リーグ随一の実力を誇るFBLTウォルター・ジョーンズLGスティーヴ・ハッチンソンも含めたブロッカー陣は、紛れも無くリーグ最強。とか言いながら、案外右サイドへのランが強かったりもする。
 問題は、RBアレグザンダーへの負担が余りにも大き過ぎる点。他に頼れるランナーが居ないためほぼ走りっ放しである上に、パスのターゲットやパスプロテクションとしても働かねばならないRBアレグザンダーは、消耗の度合いも尋常では無い。パッシングシチュエーションで休む機会は多いのだが、試合中ずっとフレッシュで居られる訳が無い。Redskins戦のように脳震盪でOUTとかになると、チームの根幹に関る一大事となり兼ねない。
 とは言え、このラン攻撃の破壊力、それが誘引するパス攻撃との相乗効果、これはやはり凄まじい威力を誇る。どうやれば抑え切れるか。鍵はLB陣の運動量とSSポラマルだ。


 Steelersは、Seahawksとは対照的に、複数のランナーが状況・役割に応じたラン攻撃を展開する。スピード派のRBパーカーRBステイリー、パワー派のRBベティスRBヘインズ。それを支えるのが、SeahawksのFBストロングにも負けない実力派の職人FBクライダー。個人能力では明らかにRBアレグザンダーを擁するSeahawksが上だが、ユニットとしては負けていない。
 2年目にしてエースの座を手にしたRBパーカーだが、一発の切れ上がりを武器に1,000ydsラッシャーの仲間入りを果たした実力は評価出来る。ただ、「3回に1回だけ15dys稼ぐ」的なプレイヤーで、安定して4yds稼ぐタイプでは無いのは気になる。まぁ、それはRBベティスの役割なのだが。
 そのRBベティス。個人的には、と言うか全米でも、このスーパーボウルの主役は、地元デトロイト出身で今季限りの引退を表明している、RBザ・バスベティスだ。
 今季も限られた出番ながら9TDを挙げたように、ゴール前での強さは圧倒的。このプレイオフでも毎試合タッチダウンを挙げているし、レギュラーシーズン最終戦のLions戦では地元デトロイトで3TDを奪う大活躍を見せた。ただ、今季のラン平均獲得距離3.3yds/Aは、明らかに往年の突破力を欠いている。ゴール前や3rdDOWN/4thDOWN-shortでショートヤードを確実にゲインする場面での出番が多いとは言え、余りにも低過ぎる数字だ。彼の奮起がSteelersの勝利には必須。恐らくは現役最期となるであろうこの試合、大爆発を期待したい。
 故障で出場が限られていたRBステイリーRBパーカーの台頭で陰が薄くなってしまったRBヘインズの両者も、実力的には他チームのエース級。上手くローテーションして的を絞らせなければ、ユニットで150〜200ydsくらいは稼げる。


 さてさて、総合評定。ラン攻撃でリーグ3位のSeahawksと同5位のSteelersであり、当然ポイントは高い。FBOLブロッキングまで含めて見ると、9.0-9.5でSeahawks。ただし、RBアレグザンダーが試合最後までヘルシーである、という条件付きで。