スーパーボウルスタッツ分析−ラインバッカー篇。

 続いては、LB陣。ちょっと面白い対決だ。DLの時にも書いたが、3-4体型と4-3体型で役割がまるで異なるので、直接的な比較は難しい。だが、活きの良さ、レベルの高さではリーグ屈指の対決だ。


 Seahawks
  LOLB ラロイ・ヒル 72タックル、7.5QBサック
  MLB ローファ・タトゥープ 104タックル、4QBサック、1FR、3INT
  ROLB D・D・ルイス 62タックル
 Steelers
  LOLB クラーク・ハガンズ 59タックル、9QBサック
  LILB ジェイムズ・ファリアー 118タックル、2QBサック、1FR
  RILB ラリー・フーツ 102タックル、3QBサック、1FR
  ROLB ジョーイ・ポーター 56タックル、10.5QBサック、1FR、2INT


 Seahawksは、今季新人ながらもチーム一のタックル数をマークしたLBタトゥープの存在が大きい。圧倒的な運動量を持ち、天性の嗅覚でビッグプレイを連発した。粗さは残るものの、今はプレイが思い通りに出来ていて楽しくて仕方が無い感じ。乗せたら厄介だ。
 同じくルーキーのLBヒル、4年目のLBルイスと、Seahawksのユニットは総じて若い。若いだけに勢いがあり、調子付くと手に負えないが、大舞台ではどう作用するか。
 あと、選手層はあまり厚いとは言い難い。控えになると数字はガクッと下がる上、ビッグプレイ能力は皆無に近くなる。特にミドルはかなりヤバい。


 Steelersは、流石に圧巻の数字。リーグのLB中で最多のサック数をマークしたLBポーター、守備MVP級の活躍を見せたLBファリアーを中心に、守備コーチであるルポーの変幻自在の戦術の元で、驚異的な守備を構築した。
 システム上ランストップで大きな役割を負うミドルの2人だが、ギャップを完全に埋める運動量を誇り、体格差をものともしない強烈なタックルはお見事。
 そしてアウトの2人。合計19.5QBサックは、DEのブックエンドコンビでもそうそう出せない(本当は時間が許せば、各チームのDE合計と比較し、これだけSteelersのOLBコンビは凄い!と見せ付けたかったくらいだ)。LBポーターは兎も角、今季の大収穫は先発2年目LBハガンズの成長。昨年からビッグプレイメイカーとしての素質の片鱗を見せていた彼だが、今季一気にブレイクした。左右両サイドからの強烈なブリッツは、オレなら敵に回したくない。

 
 さてさて、評定を下すとしよう。
 これだけ「格」で相手を圧倒できるLB陣というのは、今シーズンのBearsのLBアーラッカーLBブリッグスはまぁ例外としても、ベストメンバーでのRavensか今のSteelersか、といった感じ。正直、Seahawksでは太刀打ち出来ない。特に経験面での差が大きい。
 よって、9.0-7.5でSteelers。1.5点差は大きいようだが、贔屓目に見ている分を差し引いたとしても最低1点差は付くかと思われる。