スーパーボウルスタッツ分析−パッシングオフェンス(パッサー)篇。

 遂に、スーパーボウルのキックオフまで1時間を切ってしまった。慌てつつもQB分析へ。


 Seahawks
  QB マット・ハセルベック 294/449回、65.5%、3,459yds、平均7.7yds、24TD/9INT、Rate98.2
  QB セネカ・ウォレス 13/25回、52.0%、173yds、平均6.9yds、1TD/1INT、Rate70.9
  QB デイヴィッド・グリーン 出場無し
 Steelers
  QB ベン・ロスリスバーガー 168/268回、62.7%、2,385yds、平均8.9yds、17TD/9INT、Rate98.6
  QB チャーリー・バッチ 23/36回、63.9%、246yds、平均6.8yds、1TD/1INT、Rate81.5
  QB トミー・マドックス 34/71回、47.9%、406yds、平均5.7yds、2TD/4INT、Rate51.7
  WR アントワン・ランドルエル 3/3回、100.0%、67yds、平均22.3yds、1TD/0INT、Rate158.3


 ちょいとQB以外も混じってるな。


 Seahawksは、もう完全にQBハセルベック頼み。このプレイオフだけでもベテランQBディルファー(現Browns)が居たら、どれだけ頼りになったことだろうか。そのQBディルファーと交換トレードで入団の3年目QBウォレスは、正確なパスと機動力が売りではあるが、限られた出番では持ち味のアピールどころでは無かった。新人のQBグリーン共々、経験不足は明らか。
 しかしながら、今やリーグを代表するパサーの1人となったQBハセルベックは、成績的にも存在感も一流であり、チームの浮沈を賭けるに足る存在。最大の弱点は髪の薄さだが、一発勝負のスーパーボウルではさして影響しないものと思われる(どう影響するんだ?)。リーグのリーディングラッシャーたるRBアレグザンダーを抱えたチームのトリガーマンとしては、彼を最大限活かしつつパスを広角的に投げ分けるのが理想。そしてQBハセルベックは、それが出来ている。


 大物QBを3枚抱えたSteelersは、デプス的にはSeahawksを圧倒している。ただ、元エースのQBマドックスは大乱調で先発した2試合を共に壊してしまったし、元LionsのエースであるQBバッチは相変わらず爆発力皆無の人畜無害パサー。
 そうなるとやはり頼るしか無いのが、QB“ビッグ・ベン”“ベン様”ロスリスバーガー。チームを勝利へと導く神懸かった圧倒的な存在感は、2年目であることを完全に忘れさせる。チーム戦術の関係もありパスを投げる回数は極めて少ないのだが、少ないパス機会で確実に結果を残せるのは素晴らしい。仮にQBハセルベックと同じ試投数で現在と同じパフォーマンスを維持出来たとすると、3,996yds、28TDを挙げる計算になる。あまり意味は無いのだが、リーグ全体で獲得距離3位・TD数2位にランキングする仮定だ。
 彼の最大の強みは、昨年先発15試合で14勝1敗(レギュラーシーズン13勝無敗!)、今年も12勝3敗(同9勝3敗)でキャリア通算勝率.867という、信じられないくらいの「勝ち運」を持ったQBであるという事。PatriotsのQBブレイディと同格と言っても過言では無い。シーズン終盤を4連勝でプレイオフ進出に導き、アウェイでの3連戦も次々と勝ち抜き、見事に大舞台へと駒を進めた事実は、神に愛されている人間が居ると思わせるに足る。
 あと、実は、今回のメンバー中で最高のパス成績を持つのは、驚異のQBレイティング「満点」を叩き出したWRランドルエル。場合によっては、やってくれるかも。


 っとまぁ個々の選手を見て来たが、ユニットとしての評定。とは言っても、このポジションは明らかに個人職であり、両エースを単純に比較し、万が一に備えてのバックアップ能力を加味するしか無いワケだが。
 んでポイントだが、9.0-8.5でSteelers。単純なパサーとしての評価なら逆になるのだろうが、QBというポジションはプラスアルファのモノが割りと重要。その点、「勝てるQB」であるQBロスリスバーガーと、その印象がそれほど無いQBハセルベックでは、正味0.5点分くらい上乗せポイントが違う。あと、何だかんだ言っても経験豊富なベテランQBを2人抱え、WRランドルエルWRウォードもパスを投げれるSteelersの方が、ユニットとしては強力か。
 ま、そうそうパスを多投するゲームにはならないかとは思っている。